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【フェラーリ・カリフォルニアT(5)】「レースに出られる市販車」具現化
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GTカーレースのBグループマシンとして開発された「GTO」 レース公認取得用生産車両である「GTO」と、そのノウハウを引き次いで生産された「F40」は、フェラーリの長い歴史の中でも「そのままレースに出られる市販車」という車作りの基本理念を具現化した特別なプロダクトといえる。
◆伝説のグループBマシン「GTO」
イタリア語「Gran Turismo Omologato」の略である「GTO」は、自動車レースのGTカークラスの公認取得車両であることを意味する。1962年に登場して39台が生産された伝説的な「250GTO」を経て、84年に発表された「GTO」(288GTO)は、モータースポーツに対応する性能とスタイリングを備えた市販車両として開発。当時の競技車両規定グループBへの参戦車両のための公認規則に沿い、競技参加を前提として生産された。縦置きにエンジンを搭載し、カーボン樹脂製のパーツを使用して軽量化が図られるなど、外装・内装ともにほとんどのパーツが専用設計で制作。排気量2800cc以上の8気筒エンジンを搭載し、最大出力294キロワット(毎分7000回転時、最大トルク496ニュートンメートル(毎分3800回転時)を発揮、レーシングカーにもっとも近い市販車として大きな注目を集めた。当初予定された200台を上回る272台が生産されたが、製作が始まる前にすべての納車先が決まっていた程の人気だったという。
「GTO」は、競技用ベース車両として生まれながら、競技車両規定グループBが廃止されたことで、残念ながらレースに参戦する機会は訪れなかった。のちに「GTO」をベースに「288GTO Evoluzione」が製作され、各地のサーキットで繰り返された走行テストの中で得られたエンジンやメカニズムに関するノウハウは、事実上の後継車である「F40」の開発に役立てられた。そして、レースで優勝するという目標は「F40」によって達成されることになる。
◆創立40周年記念限定車「F40」
1987年、フェラーリ創立40周年を記念して造られたモデル「F40」は、翌年にこの世を去った創始者であるエンツォ・フェラーリ氏がその生涯の最後に世に出した車でもあり、歴代車種の中でも根強い人気を誇る。
当時開発されたばかりの複合素材など最新のマテリアルを組み合わせた高い剛性を備え、歴代のGTOシリーズから引き継ぎ、改良を加えた強力なツインターボエンジンを搭載。公称最高速度は、市販車として初めて時速305キロを超えた。フェラーリの走行性能とスタイリングの魅力を世界各地にあらためて示し、当時、バブル景気に沸いていた日本でもオーダーが相次いだという。当初は生産台数を明らかにしていなかったが、ユーザーからの要望に応え、92年の生産終了までに1311台を生産。その数は「GTO」の5倍にも上る。
また、さまざまなチームにより90年代のヨーロッパGTレースにエントリーされた「F40」は、幾度も表彰台を獲得し、レーシングカーとしての戦績も残した。