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仕事ができないくせに!リストラ候補のダメな部下に不満 「初めてリーダー」悩み相談室【第3回】
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年功序列という考え方が古いものとなり、年齢に関係なく責任ある仕事ができる企業が増えつつある。それはそれで喜ばしい一方、雇用形態の多様化や外国人採用の活性化、年次を問わない組織編成により、若くしてリーダーを任されることの難しさに直面している人も多いだろう。そんな30歳前後の「初めて課長」の悩みを、人材マネジメントのプロがすっきり解決!
3人の部下から、やる気が感じられなくて困っています。中でも、何度もリストラ候補になった年上の部下に手を焼いています。仕事ができないくせに上には気に入られるタイプで、部長からも「面倒を見てやってくれ」と言われているんですが、注意するとすぐへこむし、さらに大きな失敗をしでかすので扱いに困っています。大事な会議でも平気で遅刻するし、すっぽかすことも。彼の影響で若い部下たちの気も緩んできていて…。部下のモチベーションを上げて、チームを一つにまとめるために、私は何を実行すべきですか?(営業)
人が育っていくための基本は、「約束をして、それを守る」ということ。ダメな部下のモチベーションを上げる方法を考えるのも同じです。しっかりとコミットメントしたうえで、ホンネの約束を交わすことからですね。約束をしたら、信頼して温かく見守ってください。進捗状況の測定を行う場合も、接し方に気をつけ、「主体性を奪わないこと」を第一に考えてあげましょう。よくできたと褒めれば依存が生まれますし、頑張りが足りないと叱れば、主体性がなくなります。ではどうするか? 一番いい方法が、「一緒に喜ぶこと」なんです。途中経過を聞きながら、「そうかそうか、それは俺も嬉しいよ」と声をかけてあげましょう。主体性を奪わず、ニュートラルに接しながら、やる気もフォローするためのとっておきの接し方です。なんて面倒臭いんだ、と思うかもしれませんが、人を育てていくことは簡単なことではありません。時には厳格な父親のように、時には母親のような包容力でと、その場その場で役割を変えながら接してあげることこそが、あなたの大切な役目なのです。よって、年上の部下の場合も、会議の遅刻に対しきちんと約束を交わすことです。約束が守れない場合は、それなりの措置、つまり大事な仕事を任せないなどといったことを考えればいいでしょう。
「モチベーションは3週間で下がる」という説があります。その浮き沈みをコントロールすることは、上司に求められる大切なスキルです。まずは「目標設定で部下のやる気を上げ、実現のための仕組みを作る。さらに、その仕組みを実行させ、成功体験を積みながらやる気につなげる」という循環作りですね。まずは、一人ひとりの言葉で仕事の意味を理解させ、本気で目標設定させる。また、日々の仕事をあなたがしっかり把握し、定期的にフィードバックしてあげることです。
実行力という点で意識したいのが、リーダーシップとマネジメントの違いです。例えるならば、森で迷ったときに率先して高い木によじ登り、「あっちを目指そう!」と道を指し示すのがリーダーシップ。一方、進むべき道を整え、歩きやすくするのがマネジメントの仕事。つまり、仕事を回すうえでまず求められるのは、実はリーダーシップなのです。
リーダーは常に状況を見渡して、率先して自ら実行していかなくてはいけませんから、周りと同じことをやっていてはダメ。周りが何もしていないときこそ、力が発揮されます。そんな目線で物事に取り組める人は、どんな仕事でもこなせますから、転職市場では引っ張りだこです。そして、強いリーダーは強いマネージャーになれます。リーダーシップを身につけることで、ビジネスパーソンとしての可能性が広がることを覚えておきましょう。
初めてのリーダー経験で直面する悩みの一つずつが、あなたを確実に成長させてくれるはず。対上司だけでなく、対部下という未知なコミュニケーションの経験に加えて、プレイヤーのときよりもより経営に近い立場で仕事に取り組める経験は、あなたのビジネススキルを想像以上に鍛えるはずだ。
(リクナビNEXT/2010年07月07日)
リーダー経験を積んだら、身につけたリーダーシップを武器に、次のステップを目指して行動を起こしてみよう。「リクナビNEXTスカウト」にレジュメを登録することで、あなたがリーダーとして得たビジネススキルが、幅広いフィールドで活かせることに気付くはず。企業が見るのは、身につけたリーダーシップや、マネジメントスキルをあなたがどのように発揮しようとするか。自分の市場価値や客観的な評価がわかれば、リーダーとして活躍するために強みとなる「軸」を磨くこともできるだろう。また、思いもよらぬ企業からオファーがくれば、モチベーションもアップするはず。自ら積極的に動いて、リーダー経験を活かしたキャリアアップを目指そう。