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便秘増加…排便の大切さ、子供たちに うんち教室、絵本など続々

ニュースカテゴリ:暮らしの生活

便秘増加…排便の大切さ、子供たちに うんち教室、絵本など続々

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自分が選んだ食品にはどれだけ食物繊維が含まれているのか。食品サンプルを使って機器で計測する子供たち=大阪府箕面市の大阪青山大学  臭い、汚い、恥ずかしい…子供たちに敬遠されがちな「うんち」に今、注目が集まっている。うんちの働きを正しく知ろうと、夏休みには各地で「うんち教室」が開かれたり、東京都内では「うんち」を考える企画展が開催され10万人以上が訪れる人気となっている。うんちをめぐる新刊絵本の出版も。関係者は「トイレやうんちは大切なもの、という意識を子供たちにもってほしい」と期待している。(佐々木詩)

 星でランク付け

 8月中旬、大阪青山大学(大阪府箕面市)で、子供たちに排便の大切さを理解してもらおうという講座「食物繊維をサイエンスしよう・うんちで知る食物繊維の働き」が開かれていた。

 まず同大の海老原清教授(栄養科学)が便のもととなる食物繊維について、性質や排便との関係などを解説。続いて、食物繊維を豊富に含んだ特製の「オムライス」「ミネストローネ」などを調理実習。その後、自分のふだんの食事にどの程度食物繊維が含まれているか機器を使って計測し、食物繊維の含有量を星の数でランク付けした。参加した子供たちは「やった、おれ5つ星や」などと大喜び。最後は体育館で「うんちをたくさんするには腹筋を鍛えよう」と、2人組になって基本的な腹筋運動に挑戦した。

 海老原教授は近年、子供の便秘が増えていると指摘する。「本来はしっかり食べていれば、トイレに腰を下ろすと自然に排便できる。ところが小学生になると、ダイエットに関心を持ち、きちんとした食生活ができなかったり、学校でトイレに行くのを恥ずかしがり我慢したりして、排便のリズムを崩しがちです」と話す。

 和式が苦手

 「日本科学未来館」(東京都江東区)で10月5日まで開催中の企画展「トイレ?行っトイレ!~ボクらのうんちと地球のみらい」でも、関連行事として夏休み中にワークショップ「親子うんち教室」が開催され、親子連れが参加。うんちと健康の関係や排便の仕組みなどを学んだり、腹筋を使う「うんちっち体操」にも挑戦した。

 「うんち教室」は平成19年から首都圏の小学校を中心に開催している。しかし、昨年度参加した小学生599人にアンケートを行ったところ、学校のトイレでうんちをするかとの問いに、22・4%が「しない」と回答。理由として最も多かったのが、「和式便所だから」(31・8%)だった。そこで、「うんち教室」では学校でスムーズに排便できるよう、和式トイレの使い方も解説、どのあたりに足をおいて用をたせばいいのか、イラストを使いながら説明する。NPO法人日本トイレ研究所代表理事の加藤篤さんは、「小学校低学年のうちにトイレや排泄(はいせつ)は大切なものという意識をもってもらい、健康的な排泄習慣を身につけることが必要」と話す。「保護者の方は、子供がいいうんちをしたときに、とびっきりの笑顔でほめてあげてください」とアドバイスする。

 排便の大切さを伝える子供向けの本や絵本も数々出版されている。8月にはページのあちこちをめくりながら、排便から排泄物の処理まで知識を広く学べるしかけ絵本「うんちはどこへいくの?」(小学館)が出版された。小学館児童学習局の喜入今日子さんは「排便を扱った企画展が好評になるなど、『うんち』や『トイレ』は今、求められているテーマ。家族で繰り返し読んでもらいたい」と話している。

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