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【都知事選】小泉氏焦点 細川氏と脱原発連携?

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【都知事選】小泉氏焦点 細川氏と脱原発連携?

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都議会自民党の総会に出席後、取材に応じる舛添(ますぞえ)要一氏=2014年1月9日、東京都庁(財満朝則撮影)  ≪都議会自民が舛添氏推薦、細川元首相も出馬検討≫

 東京都の猪瀬直樹前知事(67)の辞職に伴う都知事選(1月23日告示、2月9日投開票)で、都議会自民党は1月9日の総会で、舛添(ますぞえ)要一元厚生労働相(65)の推薦を決めた。石破(いしば)茂幹事長(56)ら党本部の執行部との調整を進める。一方で、細川護熙(もりひろ)元首相(75)が出馬を検討していることが9日、複数の関係者への取材で分かった。首相経験者の細川氏が名乗りを上げれば、選挙戦の構図が一変する可能性もある。

 舛添氏は9日、都議会自民党の総会で、2020年東京五輪に向けた対応など都政の重要政策について説明。知事に就任した場合は都議会とも協力関係を構築する考えを表明した。

 これを受け、都議会自民党は、行政能力・危機管理能力に優れ、都議会と信頼関係を築けることなどの3つの選考条件に合致すると判断し、舛添氏の推薦を決定した。10日午前の都連役員会で確認し、党執行部に報告する。ただ、党内にはベテラン議員を中心に舛添氏への反発も根強いことから、党本部の推薦などは見送られる公算が大きい。

 一方、出馬を検討している細川氏は脱原発を主張しており、原発ゼロの立場を取る小泉純一郎元首相(72)に支援を取り付けたい意向とされる。知名度の高い首相経験者2人が連携すれば、選挙戦の台風の目になる可能性が高い。

 年初に「逆打診」

 細川氏周辺によると、細川氏は今年に入ってジャーナリストの池上彰氏(63)と会談し、出馬を打診したが、池上氏は逆に「細川氏が出た方がよい」などと立候補を促したという。細川氏らは「池上氏が最適の候補者だ」として、引き続き出馬を要請している。

 細川氏が出馬する場合は無所属で臨む意向のため、民主党が出馬を打診したものの固辞。小泉氏の対応や他候補の動きを見極めながら、来週にも最終判断するとみられる。

 ≪小泉氏焦点 細川氏と脱原発連携?≫

 東京都知事選で、小泉元首相の動向が焦点になってきた。出馬を検討する細川元首相が「脱原発」を主張する小泉氏との連携を視野に入れているからだ。人気の高い小泉氏が細川氏の支援に回れば、舛添(ますぞえ)元厚生労働相の対抗馬として選挙戦の行方は一気に様変わりする。民主党も「脱原発」が野党結集の軸になるとみて、舛添氏ではなく細川氏支援に傾いている。

 都議会自民党が舛添氏の支援を決めた1月9日、党都連の萩生田光一(はぎうだ・こういち)幹事長代理(50)は、小泉氏が細川氏を支援した場合の対応について「そういうことがあっても党としてぶれるつもりはない」と記者団に明言。党本部と連携して舛添氏をサポートする方針に変わりがないことを強調した。

 ただ、自民党執行部は両者の連携に神経をとがらせている。ある党幹部は「細川氏が出馬し、小泉氏と2人が選挙カーで演説したら注目される。たいへんだ」と指摘する。小泉氏に近い閣僚経験者も「2人が連携すれば、細川氏を支援せざるを得ない自民党議員も出てくる」と不安を隠さない。

 こうした中で、民主党都連は9日、細川氏を「最有力候補」(松原仁(じん)会長)と位置付けた。これまで党内は舛添氏支援の流れになりつつあったが、「脱原発」を掲げる細川氏支援に軌道修正した。

 民主党は、2012年12月の衆院選、13年の都議選と参院選で3連敗しており、細川氏支援で「低迷する党の反転攻勢に出られる」(幹部)と分析した。細川氏擁立を模索していた海江田万里(かいえだ・ばんり)代表(64)や、細川氏が率いた日本(にほん)新党出身の国会議員が押し切った格好だ。

 菅直人(かん・なおと)元首相(67)は9日、自身のブログで細川氏の動きを歓迎し、「細川氏の出馬は自民党にとって悪夢だ。立候補を決めれば、原発ゼロを求める都民は細川さんの応援に集中すべきだ」と訴えた。

 また、細川氏は「出馬するなら、小泉さんが応援してくれる方がいい」と周囲に漏らしている。民主党は煮え切らない細川氏の背中を押すことで存在感をアピールできる上、小泉氏との連携が実現すれば小泉氏の人気にもあやかることができるとそろばんをはじく。

 ただ、党都連からは「小泉氏とスポットライトを浴びたいだけで都政をやられても困る」「脱原発で景気が落ち込む」と冷めた声もあり、一枚岩で対応するのは難しそうだ。(SANKEI EXPRESS

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