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経済
みずほ 業務改善計画を提出 険しい再生の道 縦割り解消が鍵
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業務改善計画を提出し、会見する、みずほFG(フィナンシャルグループ)の佐藤康博社長=2014年1月17日、東京都中央区の日銀記者クラブ(小野淳一撮影) みずほフィナンシャルグループ(FG)と傘下のみずほ銀行は1月17日、暴力団関係者への融資問題を受け、金融庁に対し業務改善計画を提出した。6月に社外取締役が経営を監視する「委員会設置会社」へ移行するとともに、取締役会議長に社外取締役を起用し、監督機能を強化するのが柱だ。みずほは昨年(2013年)12月に金融庁から2回目の業務改善命令を受けたことを踏まえ、経営体制を抜本的に見直す。
問題となった融資は系列信販会社のオリエントコーポレーション(オリコ)などを通じた提携ローンで、暴力団関係者への融資を2年以上放置していたとして、昨年(2013年)9月に金融庁から業務改善命令を受けた。同じ問題で二度、行政処分を受けるのは異例だ。みずほはオリコも含めたグループ会社の役職員にも、提携ローンに関する研修を徹底し、再発防止に努める。
業務改善計画では、取締役会で問題融資を打ち切る議論が行われなかった反省を踏まえ、重要会議を適切に運営するための要領を決め、会議で議論する情報の質や量を常に改善することも打ち出した。
会見した佐藤康博社長(61)は自らの進退について、「委員会設置会社への移行を決めた本人が放り投げるわけにはいかない」と述べ、続投する意向を示した。
一方、経済産業省は17日、オリコに対して割賦販売法に基づく業務改善命令を出したと発表した。内部管理体制の強化などの再発防止策を1カ月以内に報告するよう命じた。
経産省は、契約相手が暴力団関係者であるとの情報をみずほ銀行から得ていたにも関わらず、オリコが契約解除などの事後対応を速やかに行わなかったことを問題視した。反社会的勢力を排除するため、社内規則の見直しや社員研修の実施など再発防止策を求めた。
≪険しい再生の道 縦割り解消が鍵≫
金融庁に業務改善計画を提出したみずほFG。今後は3大銀行グループで初めて、「外部の目」が経営を監督する。ただ、問題視され続けてきた社内の縦割り意識が残ったままでは、改革も“机上の空論”になりかねない。再生に向け背水のスタートを切ったみずほ銀は、改革の実効性が問われる。
「委員会設置会社への移行という高いハードルにチャレンジする。大きなプロジェクトをしっかり根付かせたい」
佐藤社長は、東京都内で1月17日開いた記者会見でこう述べ、再発防止策の徹底と信頼回復に向けた意気込みを語った。みずほFGとみずほ銀は、融資情報を社内で把握してから約2年間、対策を取る機会を何度も逸してきた。背景にあるのは企業統治の脆弱(ぜいじゃく)さだ。
佐藤社長は、業務改善計画の大半の項目について、計画通りに着手したとして、「今後同じような問題が起こることはありえない」と胸を張った。
委員会設置会社への移行によりみずほFGは、役員の人事や報酬までも社外取締役が大きな権限を持つことになる。最高機関である取締役会の議長も社外取締役が務める今回の改革案は、確かに国内金融機関にとって「社会的要請に応えた先進的な体制」(佐藤社長)となる。
ただ、すべての社外取締役が銀行業務の専門家ではない。銀行の業務は専門性が高く、事業は広範囲に及ぶ。その中から銀行実務に詳しいとは言えない社外取締役が“危機の芽”を見つけだし、それを摘み取るのは容易でない。
さらに、これまでも問題視されてきた「縦割り意識」が残れば、社外取締役がどこまで機能するか疑問符が付く。
佐藤社長は「一朝一夕には企業文化は変えられない」と、縦割り意識解消の難しさを認めた。みずほグループはまだ、信頼回復のスタートラインに立ったにすぎない。(SANKEI EXPRESS)
・みずほFGが委員会設置会社へ移行
・取締役会議長と業務執行統括を分離し、取締役会議長は原則社外取締役に
・みずほFG本体と傘下の金融機関で社外取締役を追加招聘(しょうへい)
・みずほFGの塚本隆史会長が辞任
・関係役員12人の報酬減額期間拡大
・会議体運営要領を必要に応じて見直し
・みずほ銀やグループ会社の役職員研修実施