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政治
【都知事選】原発・五輪で舌戦 師弟対決の様相 安倍首相VS.小泉氏
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スイスのダボス会議で基調講演を行う安倍晋三(しんぞう)首相(左、ロイター)と、都知事選で細川護煕(もりひろ)の応援演説をする小泉純一郎元首相(寺河内美奈撮影) 安倍晋三首相は東京都知事選が告示された1月23日の未明、スイス・ダボスの地にいた。
「オリンピック・パラリンピックが、あと6年で東京に来ることも人々の心を明るくしました」
「2020年、東京で五輪選手たちが競い合う頃には、日本の電力市場は発送電を分離し、発電、小売りとも完全に競争的な市場になっています」
「2020年までに指導的地位にいる人の3割を女性にします」
「2020年までに対内直接投資を倍増させることが可能になります」
世界経済フォーラム年次総会(ダボス会議)開会式で日本の首相として初めて行った基調講演。英語でスピーチした安倍首相の口からは「2020年」「五輪」の言葉が何度も飛び出した。
自らプレゼンテーションを行い、招致を勝ち取った東京五輪の成功に向けたステップが、政権運営の柱になると考えているからにほかならない。
昨年(2013年)9月、五輪開催都市を決める国際オリンピック委員会(IOC)総会が行われたブエノスアイレスで肩を並べて歓喜したパートナーの猪瀬直樹前東京都知事は、「政治とカネ」の問題で12月に辞任した。東京五輪開催決定時には想定できない事態だった。
東京都のトップ不在は五輪準備の停滞を招いた。大会組織委員会の会長人事は、財界から辞退者が相次いだ。結局、安倍首相の「政治の師匠」の一人である森喜朗(よしろう)元首相に落ち着いた。ただ、副会長や事務総長など、屋台骨となる幹部人事は24日の組織委発足直前までもつれこんだ。
次の五輪パートナーは誰か-。安倍首相の神経はそこに集中せざるを得ない。
元首相の細川護煕(もりひろ)氏は新宿区の都庁前で行った第一声の大半を「脱原発」に費やした。五輪に関しては東北地方との「分散開催」に言及したくらいだった。細川氏と「脱原発」の一点で共闘する元首相の小泉純一郎氏は街宣車の上でマイクを握ると、こう言い放った。
「関係者が原発なしでオリンピックなんかできるのかと小泉批判を始めた。調べてみたら、五輪招致委員会は昨年(2013年)、『東京五輪は原発なしでやっていける』と世界に宣伝していたじゃないですか!」
確かに招致委がIOCに提出した立候補ファイルには、五輪の電力供給について「既存の配電システムで対応できる」と明記していたが、「原発なしでやっていける」とは書いていない。争点を簡素化することで“白黒”をはっきりさせる「小泉流」は健在だった。小泉氏は、安倍首相にとって、もう一人の「政治の師匠」である。
ただ、小泉氏の演説に耳を傾けていた聴衆は数百人。拍手や声援もまばら。地方でも1000人以上の聴衆を集めた7年前の郵政解散・総選挙の面影は薄れていた。
一方、元厚生労働相の舛添(ますぞえ)要一氏は新宿駅西口で第一声。防災対策を「第一の約束」と掲げた上で、「防災対策をしっかりして、最高のおもてなしをしたい」と述べ、防災と五輪を結びつけて訴えた。
舛添氏は約10分間の街頭演説で、原発を含むエネルギー問題に言及することはなかった。公約で「原発依存度の低減」を掲げているものの、「脱原発」のシングルイシュー(単一争点)化を狙う細川・小泉連合を意識しているのは明らか。原発問題を主要争点とすることに違和感を覚える世論を敏感に読み取り、あえて差別化を図った。「エネルギー政策は東京都だけではなく、国民みんなの課題だ」とする安倍首相の意向にも沿った格好といえる。
元日弁連会長の宇都宮健児氏は街頭演説で、雇用や福祉、防災に多くの時間を割いた。五輪については「環境に優しく」、原発は「原発のない社会を東京から」と触れた程度。元航空幕僚長の田母神(たもがみ)俊雄氏は「災害に強い東京」を前面に掲げ支持を訴えた。
首都決戦は五輪が開催される「2020年」の首都・東京の姿を見据えた戦いになっている。
「細川氏が当選すれば、既得権益をぶっ壊す。例えば五輪の組織委員会も一から作り直す。森会長も白紙になるだろう…」
「五輪返上」を口にしたこともある細川氏の周辺からは告示前、そんな声も漏れていた。安倍首相にとって負けられない戦いになっている。(SANKEI EXPRESS)
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