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イタリアの秘宝「テルラーノ・セレクション」の最古ビンテージ 青木冨美子
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オーストリアに隣接する北イタリアのトレンティーノ・アルト・アディジェ州。この地で今、注目を浴びているのが『テルラーノ』です。1893年、24軒の栽培農家が結集して創業。100年を超える歴史を経て、現在、テルラーノは秀逸な区画を所有する農家と組んでいます。
テルラーノではピノ・ビアンコ、シャルドネ、ソーヴィニヨン・ブランの3品種をブレンドした『テルラーネル』が有名です。
『テルラーネル・プリモ発表会』のプレス・ディナーのために来日したセールス&マーケティングディレクターのクラウス・ガッサー氏は、「ワインは木製の大樽で長い間、オリと一緒にしておくことで得も言われぬ独特の味わいになる」と説明。火山によって押し上げられて形成した土壌『石英斑岩』もテルラーノのスタイルを決める大事な要素になっています。
特別供出された『ピノ・ビアンコ1955』は、最新ビンテージ(VT)から最古の55年まで途切れることなく保存されているセレクションなので、まさにイタリアの秘宝のようなワイン。白コショウ的なニュアンスに加え、カラメルシロップや蜂蜜、程よい酸味もありました。味わい的には55年VTの前に登場した89年産のテルラーネルのほうが、はるかに洗練されていましたが、55年VTは人間に例えれば還暦直前です。その透明感に満ちた黄金色はとても美しい印象を与えていました。ちなみに、この55年VTは2年前のチャリティーオークションで、約40万円で落札されたそうです。(ワインジャーナリスト 青木冨美子/SANKEI EXPRESS)