ニュースカテゴリ:EX CONTENTS
国際
ウクライナ参加「独立国として派遣」 16日までパラリンピック
更新
第11回冬季パラリンピックは3月7日午後8時(日本時間8日午前1時)から、ロシア南部ソチで開会式が行われ開幕。大会は16日まで、ソチ冬季五輪で使用した臨海部と山岳部の各会場を舞台に、5競技72種目でメダルを争う熱戦が繰り広げられる。組織委員会によると、大会には冬季大会としては過去最多となる45カ国から500人を超す選手が参加。だが、クリミア半島の帰属をめぐってウクライナ情勢が緊迫し、障害者のスポーツの祭典に暗い影を落としている。
ウクライナ・パラリンピック委員会のワレリー・スシュケビッチ会長は7日、ソチで記者会見し、大会への参加を表明した。ウクライナ選手団はロシアによるクリミア半島の実効支配に抗議し、「ボイコット」する方針を示していたが、スシュケビッチ会長は「パラリンピックに残る。ウクライナが独立した国として選手団を派遣したことを忘れないようにするためだ」と説明した。
スシュケビッチ会長はまた、6日夜にプーチン大統領に「パラリンピック大会中は平和をお願いしたい」と頼んだことも明らかにした。ウクライナはノルディックスキー距離とバイアスロンの強豪で、23選手がエントリーしている。
一方、開会式には米英カナダが政府代表団や閣僚の派遣中止を決定。日本からは桜田義孝文部科学副大臣が出席する。
≪「健常者トップ負かすレベルに」 地位向上へ全力プレー≫
今回の冬季パラリンピックは2020年東京五輪・パラリンピック招致が決定して初めての大会。アルペンスキーなど3競技に20選手が出場する日本選手団にとっては、障害者スポーツの発展に寄与し、母国で迎える祭典につなげる機会となる。
アルペンスキー男子立位で回転種目の名手、三沢拓(26)=キッセイ薬品=は6歳の時に10トントラックにはねられ、左膝から下を切断した。右脚1本で旗門を巧みにかわすターンの技術は、世界トップレベルにある。「パラで『金』を取った後は健常者のトップレーサーを負かすレベルになりたい。新聞では社会面でなく運動面で取り上げてほしい」と真剣な表情で思いを打ち明けた。
日本選手の競技環境は厳しい。座位の選手は高額のチェアスキー購入費や度重なる海外遠征のため、年間350万円ほどの費用を負担する。多くの選手は企業とのスポンサー契約で賄う。開催国のロシアは国が選手の生活まで保障するなど充実し、アイススレッジホッケーではカナダにプロリーグが存在する。障害者スポーツは先進国で一定の地位を得ている。
来年には文部科学省の外局としてスポーツ庁が創設される見込み。障害者スポーツは厚生労働省から管轄が移るが、具体的な計画は見えない。日本選手団の主将で、アルペンスキーのエースとして複数のメダル獲得が期待される森井大輝(33)=富士通セミコンダクター=は「すごいと思われるパフォーマンスを届けられれば、今の競技環境が変わるのではないか」と期待した。(SANKEI EXPRESS)