SankeiBiz for mobile

【Q&A】中国の無差別殺傷 指導部に衝撃 全人代で異例の黙祷

ニュースカテゴリ:EX CONTENTSの国際

【Q&A】中国の無差別殺傷 指導部に衝撃 全人代で異例の黙祷

更新

中国・雲南省昆明市  中国雲南省の昆明駅で3月1日、無差別殺傷事件が起き、29人が亡くなった。中国当局はウイグル族の犯行と断定。民族問題の深刻さがあらためて浮き彫りになった。5日開幕の全国人民代表大会(全人代=国会)でも、この事件に触れた。

 Q 何があったの

 A 事件は1日夜に発生し、けが人も140人以上となった。実行犯グループは全員同じ黒色の服と覆面を着用し、刃渡り40~70センチの刃物を使って駅の乗車券販売窓口で並んでいた市民を襲ったようだ。

 Q どんなグループなの

 A 中国国営通信の新華社によると、グループは男6人と女2人の計8人。発生直後に公安当局は4人を射殺し、1人を拘束。その後、逃走していた3人も拘束された。容疑者グループのリーダーの名前からウイグル族による犯行とみられている。

 Q ウイグル族って

 A トルコ系で中国西部には新疆ウイグル自治区もある。中国には1000万人以上が暮らしているけど、漢族が大多数の中国では少数民族の一つだ。独立を目指す動きが根強く「東トルキスタン・イスラム運動」(ETIM)などの独立派組織がある。

 Q 事件の受け止めは

 A 全人代の開幕を直後に控え、中国当局は警備を強化していた。ウイグル族によるとみられる事件としては、昨年(2013年)10月にも北京市の天安門前で車両突入が起きている。今回の無差別殺傷を含め、習近平指導部の衝撃は大きいはずだ。

 Q 全人代って何

 A 日本の国会に相当し、中国の憲法上は最高の国家権力機関と規定されている。ただ実際は共産党の指導下に置かれていて、党が決めたことを追認するだけの「ゴム判」とも揶揄(やゆ)される。

 Q 事件のことは触れたの

 A 会議の冒頭、張徳江全人代常務委員長が「テロ分子による悪質な行為を糾弾する」と強調し、出席者は犠牲者に黙祷(もくとう)をささげた。これは異例なことだ。

 Q 会議のポイントは

 A 李克強首相は政府活動報告で「歴史の流れを逆行させることを許さない」と述べ、名指しを避けながら安倍政権を牽制(けんせい)した。2014年度予算案では、国防費に前年度実績比12.2%増の8082億3000万元(約13兆4400億円)を計上し、4年連続の2桁増となり、軍拡路線が目立った。(共同/SANKEI EXPRESS

 ≪治安維持費6%増3兆4000億円 力で「不満」押さえ込み≫

 習近平指導部は全人代で、2014年度に国内の治安維持に使われる中央政府の「公共安全」予算案として前年度実績比6.1%増の2050億元(約3兆4000億円)を計上。貧富の格差や抑圧的な少数民族政策への不満を力で抑え込む方針を鮮明にした。

 李克強首相は3月5日の政府活動報告で、昆明での無差別殺傷事件を「暴力テロ事件」として非難。「国家の法律を冒涜(ぼうとく)し、人類の文明に挑む暴力犯罪に打撃を加える」と強調し、力で対抗する構えを見せた。

 政府は14年度の公共安全予算案について、中央政府の額のみを公表した。昨年(2013年)まで明らかにしてきた地方分と合わせた全体の額が、国防費を上回っていたことに注目が集まり、内外の批判が高まったことを考慮して全体額の公表を避けたとみられる。公共安全予算は主に公安や武装警察、インターネットの監視関連の費用で、消防や公共衛生なども対象としている。

 習国家主席がトップを務める「中央国家安全委員会」や「中央インターネット安全情報化指導グループ」を相次いで新設したことも、治安対策費を押し上げる要因となった可能性もある。(SANKEI EXPRESS

ランキング