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こだわり素材、上品なだし 食べて飲み干し 先斗町もつ鍋 亀八本店
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近江牛のこてっちゃんが浮かぶもつ鍋。白味噌仕立ての上品な味わいだ
内臓肉を主材料にした「もつ鍋」の人気店「先斗町もつ鍋 亀八本店」。メニューに「スープ(だし)が飲みたくなる鍋でありたい」とあるように、白みそを使った上品なだしに近江牛のこてっちゃん(小腸)をぐつぐつ煮て味わう。締めには雑炊やチャンポン麺で鍋の中全てを食べ、飲み尽くすことができて満足感もアップ。鍋の具材は豊臣秀吉ゆかりの「陣中弁当箱」に入れて運ばれるなど時代がかったパフォーマンスも楽しめる。鍋1人前の注文は、カンボジアの孤児に茶碗1杯分のご飯を寄付することになる社会貢献の店でもある。
オープンは2008年3月。鍋を囲むことでコミュニケーションを深めてもらおうと、京都市内に10業態の飲食店を展開する起福(本社・京都市)社長の伊藤秀薫(ひでのぶ)さん(40)が発案。京都らしい白みそをベースにしただしに合う“主役”には、「脂の乗りがほどよくうま味があって胸焼けしない」という滋賀県産近江牛のこてっちゃんを選んだ。
直径約20センチの鍋の中で一緒に煮るニラやモヤシ、ゴボウなどの具材は、秀吉が戦で携えたとされる陣中弁当箱のレプリカに入れて提供されるが、戦国時代を連想させるそんな演出にも元気がわく。
煮たもつは口の中でとろけそうだ。野菜と一緒に味わうと舌の上に広がる肉汁がジューシーで白みそのだしと一体となり、まるで味覚の二重奏。だしにおろしニンニクを1さじ加えて飲むと一段とコクが増す。
だしには白みそをベースにした「本家京もつ鍋『白』」のほか、辛みのきいた韓国みそ、コチュジャンを合わせた「赤辛」、カレー風味の「黄」、しょうゆをベースにした「黄金」などがあり、それぞれにこだわりのファンがいるそうだ。
「近江牛のハツユッケ」は湯引きした牛の心臓に卵黄を載せて提供される。卵を潰し甘めのタレを絡めて添えられたタマネギとともに口に含むとうま味が引き立つ。
十分に衛生管理がされた「イベリコ豚の刺し身」はワサビを添え、甘みのあるしょうゆにつけて口にすると味の変化が楽しめる。ドングリだけで飼育されたスペイン産のイベリコ豚はもっちりとした舌ざわりで風味も豊かだ。
牛の第1胃、ミノは紅葉おろしを混ぜたポン酢に浸し、短冊状に切られた山芋と一緒に味わう。あっさりとした味覚の中に、まとわりつく山芋の粘り気が独特の食感を醸し出す。
自家製のタレに漬け込んだ「近江牛もつ炙り焼き」はこってりとした味わいで、ワサビを添えて口にすると辛みと脂身がほどよくマッチ。若い男性客には評判のメニューで「取り置いてほしい」というリクエストも舞い込むほどだ。
富山県産の「白エビの甘酢漬け」は酸っぱさをアクセントに濃厚な味付けがされており、酒のアテにはもってこい。
「京豆腐のサラダ」はレタスやトマト、軟らかい豆腐がたっぷり盛られ、かつお節とのりがかけられている。豆腐を裏ごしし柑橘系の果汁などを混ぜ合わせた特製の豆腐ドレッシングで味わう「水菜のサラダ」にも人気がある。
アルコール類には生姜のエキスとカボスでつくる「プレミアムジンジャー」や果実入りの「完熟もも酒」など季節限定のメニューもあり、いずれも口当たりがよく「若い女性客には好評」(田口耕平店長)だという。
起福の理念は「見返りを求めない感謝の徹底」。社会貢献にも積極的で、もつ鍋を注文するとその代金の中からカンボジアの孤児院に寄付される仕組みが特徴だ。現地からは子供たちが書いたお礼の言葉も寄せられている。(文:巽尚之/撮影:竹川禎一郎/SANKEI EXPRESS)