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JR四国「鉄道ホビートレイン」 マイペース「団子鼻」は走る博物館
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単線の軌道上をのんびり走る新幹線もどきの観光列車「鉄道ホビートレイン」=2014年3月15日、愛媛県宇和島市のJR宇和島駅-北宇和島駅間(尾崎修二撮影) 「プワ~ン」。懐かしい警笛が響く。そこには、先頭部分が「団子鼻」の愛嬌(あいきょう)ある顔が。子供のころよく見かけた昔懐かしい新幹線とうり二つだ。これは、愛媛と高知の両県を結ぶJR四国予土線に新しく登場した0系新幹線のそっくりさん「鉄道ホビートレイン」。3月15日、出発式の日を迎え、デビューを果たした。
「夢の超特急」と呼ばれ親しまれた0系は、東京オリンピックの開催に合わせて1964年10月1日に東海道新幹線としてデビュー。以来44年にわたり運用され、2008年11月末に定期運行を終えて引退した。
そんな0系の「生みの親」として知られる、第4代国鉄総裁の十河信二(そごう・しんじ)氏が愛媛県出身であることや、今年3月に予土線が全線開通40周年になることなどをきっかけに誕生したのがこの「鉄道ホビートレイン」だ。
「四国に悲願の新幹線!」「日本一遅い新幹線」などの見出しでメディアに取り上げられ、昨秋から注目を集めていた「団子鼻」の晴れ姿に、出発式の舞台となったJR宇和島駅は歓声に包まれた。
ディーゼル車の「キハ32形」を改造して作られた車両は最高時速85キロという“本家”とは比べものにならないマイペースで、のどかな田園風景の中や「最後の清流」四万十川のほとりなどを縫うように走る。
青色を基調とした車内の大きなショーケースには、定期的に入れ替えられる鉄道模型が展示され、まるで博物館。また、0系で使用されていた転換座席が設置されている一方で、上を見れば吊り革があるなど、何とも不思議な空間を作り出している。
≪清流ほとりをトコトコと…≫
JR四国予土線「鉄道ホビートレイン」が営業運転2日目を迎えた3月16日、午前6時32分に江川崎駅を出発する始発列車を狙ってみた。
1両編成でトコトコ走る団子鼻の姿はなんともユニークだ。穏やかな四万十川のせせらぎに包まれ、のんびりした気持ちでシャッターを切った。最近よく耳にする「ゆる鉄」という言葉は、こんな状況にもあてはまるのだろうか…などと思ってみたり。
沿線の好ポジションには、その姿をカメラにおさめようと訪れた鉄道ファンの姿も。鉄道に詳しくない記者の質問に答えてくれた地元のファンは「桜の季節にはとっておきの撮影ポイントがあるんだよ」と、昨年(2013年)の写真を見せながらうれしそうな笑顔。ニュース取材など修羅場のような撮影現場とはかけ離れていて、拍子抜け、いや、ホッとした。
JR北宇和島駅で偶然、団子鼻を見かけたという市内在住の主婦は「ビックリした! 一瞬何が走っているのかと。よく見るとかわいいわねぇ」といっぺんで気に入った様子だった。
JR四国はこれまで予土線に「海洋堂ホビートレイン」「しまんトロッコ」という「変わり種」観光列車を運行しており、鉄道ホビートレインで3つ目となる。いずれ劣らぬ個性派ぞろいで、四国を旅する機会があれば、乗ってみることをお薦めしたい。(写真・文:写真報道局 尾崎修二/SANKEI EXPRESS)