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【アラスカの大地から】手つかずの自然 空から一望

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【アラスカの大地から】手つかずの自然 空から一望

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堆積と侵食を繰り返す北極圏のシャンダラー河=2013年6月14日、米アラスカ州(松本紀生さん撮影)  1868年にアメリカがロシアからアラスカを購入した当時、アラスカの人口はわずか3万人ほどだった。現在、このアメリカ最大の州には74万人もの人々が暮らし、今なお増え続けている。

 にもかかわらず、人口が1000人を超える村や町はわずか26しかない。これは大都市に人口が集中しているためだ。アンカレジの29万人をはじめ、州都・ジュノーの約3万人など。厳しい自然環境の下、居住に適した地域が限られていることの表れでもあろう。

 だが、おかげで人間による環境破壊は限定的だ。

 地球が誕生して以来、時の流れに身を委ねるように地形を変化させてきたアラスカの大地。圧倒的なスケールの神秘が、真の手つかずとは何かを語りかけてくる。

 その全貌の一端を空からの眺めでご紹介しよう。

 ≪150年変わらない四季の日常≫

 春の北極圏。厚い雪で閉ざされていた大地が草花で覆われ、大量の雪融け水が河に流れ込む。ほつれた糸のように蛇行する大河に、自然本来の姿をおしえられる。

 レインフォレストが広がる南東アラスカ。しっとりと穏やかな空気が風景を包み込む。ここからカナダ沿岸にかけて、世界最大の温帯雨林帯が広がる。雪と氷ばかりではない、もうひとつのアラスカがここにある。

 8月末。北極圏はもう秋だ。見渡す限りの原野が紅葉の大海と化す。燃え盛る大地は絶える寸前のろうそくの炎のよう。山頂は新雪で覆われ、長い冬のおとずれを告げている。あまりの辺境性ゆえ、この絶景を目にする人はほとんどいない。

 北米大陸最高峰・マッキンリー山(6168メートル)。朝日が山頂を染め、山に生命が吹き込まれてゆく。眼下に広がる氷河には、太古の昔からの悠久の時が刻まれている。

 150年前と変わらぬ風景。それは奇跡などではなく、アラスカの日常なのである。(写真・文:写真家 松本紀生/SANKEI EXPRESS

 ■まつもと・のりお 写真家。1972年生まれ。愛媛県松山市在住。立命館大中退後、アラスカ大卒。独学で撮影技術やキャンプスキルを学ぶ。年の約半分をアラスカで過ごし、夏は北極圏や無人島、冬は氷河の上のかまくらでひとりで生活しながら、撮影活動に専念する。2004年夏、マッキンリー山登頂。著書に「オーロラの向こうに」「アラスカ無人島だより」(いずれも教育出版株式会社)。日本滞在中は全国の学校や病院などでスライドショー「アラスカ・フォトライブ」を開催。matsumotonorio.com

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