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W杯が見たい! 習主席が変えた首脳会合日程 決勝で始球式も?

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W杯が見たい! 習主席が変えた首脳会合日程 決勝で始球式も?

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 【国際情勢分析】

 4年に一度のサッカーの祭典、ワールドカップ(W杯)ブラジル大会の開幕が、刻一刻と近づいている。5月12日には23人の日本代表をはじめ、出場各国の登録メンバーが発表されたが、出場権を逃した中国でもこのほど、ある人物の“参加”が明らかになった。中国メディアが1面で報じたこのニュース。背景をのぞいてみれば、中国の存在感とわがままぶりが浮かび上がってくる。

 BRICSは決勝後に

 その人物とは、熱狂的なサッカーファンという触れ込みが定着している習近平国家主席(60)、その人である。中国共産党機関紙、人民日報(電子版)などによると、ブラジルのジルマ・ルセフ大統領(66)が、7月13日にリオデジャネイロのマラカナン競技場で行われるW杯決勝に、習近平氏を招待したというのだ。

 ブラジルでは、決勝戦の2日後の15日から2日間の日程で、ブラジル、ロシア、インド、中国、南アフリカで構成する新興5カ国(BRICS)の首脳会合が開催される。習近平氏は決勝戦を観戦した後、首脳会合に出席。その後、中国とブラジルの国交樹立40周年を記念して、国賓としての公式訪問を続ける予定になっている。

 駐中国ブラジル大使は「1974年にブラジルと中国が外交関係を樹立してから、ちょうど40周年を迎える時に、習近平国家主席がブラジルに滞在することは、本当にすばらしい偶然の一致だ」と述べたという。しかし、この訪問はどうやら“偶然”などではないようだ。

 当初予定は3月か4月

 在ブラジル日本大使館のホームページに、ことの真相が掲載されていた。

 「本年のBRICS首脳会合は、ブラジルにおいて3月または4月に開催される予定であったが、ブラジルは中国側の申し入れを受け、首脳会合を7月15日及び16日にフォルタレーザで開催することとした」

 「7月15日はサッカーW杯決勝戦の2日後であるが、中国側がこの時期を選んだのは、サッカーファンである習近平国家主席が、昨年(2013年)11月に訪中したミシェル・テメル副大統領(73)と会談した際、W杯期間中にブラジルを訪問したい旨を伝えたためとされている」-。

 決勝戦には習近平氏のほか、BRICS首脳会合に出席する各国首脳も招待されているという。しかし、BRICSの中で、今大会に出場するのは開催国ブラジルとロシアだけ。しかも、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領(61)は柔道家として知られている。ロシアが決勝に進出したならば話は別だが、W杯決勝の観戦を熱望しているとは思えない。

 在ブラジル日本大使館は習近平氏の公式訪問について、「ブラジル側は中国との関係緊密化を図り、ブラジルのインフラ事業に対する中国の投資を促す機会と捉えている」と分析している。ブラジルでは経済成長に陰りが見え、賃上げ要求のデモやストライキが起きている。“特需”が終わるW杯とリオデジャネイロ五輪後を見据え、中国の支援に期待を寄せていることをうかがわせるが、欧米諸国に対抗する勢力として存在感を高めているBRICSの首脳会合の日程が、中国の最高指導者の“趣味”に左右されるとは…。

 「始球式」の噂も

 中国の英字紙、チャイナ・デーリーによると、中国版ツイッター「微博(ウェイボー)」には、「中国で最も有名なサッカーファンの習近平国家主席は、国家運営に忙しすぎて、サッカーの試合を楽しめない。決勝を見に行って、少しリラックスするべきだ。彼にはその資格がある」との意見が寄せられた。中国国内では、習近平氏が決勝戦のキックオフ前に、「始球式」を行うという噂まで流れている。

 北京体育大学の専門家は「スポーツへの個人的な興味を示すことは、活気に満ち、健康的な指導者のイメージを印象づけるには最高の方法だ」と指摘しているが、習近平氏がそこまで計算しているのかどうか…。いずれにせよ、習近平氏がブラジル訪問中、もっとも嬉々とした表情をみせる場所が、マラカナン競技場であることは間違いないだろう。(中国総局 川越一(かわごえ・はじめ)/SANKEI EXPRESS

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