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ウルムチ爆発 「実行犯5人は死亡」 車改造や綿密下見 唯一の朝市狙う

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ウルムチ爆発 「実行犯5人は死亡」 車改造や綿密下見 唯一の朝市狙う

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 中国新疆(しんきょう)ウイグル自治区の中心都市ウルムチの市場で5月22日、31人が死亡、94人が負傷した爆発事件で、中国紙・環球時報は23日、実行犯5人が現場で死亡したと報じた。自爆したとみられる。中国メディアは実行犯がどの民族に属しているか伝えていないが、現場の目撃者は「ウイグル族だった」としている。

 目撃者の証言などによると、事件に関与した車両は計4台とみられ、うち2台が炎上し、残りの2台は現場から逃走した。警察はその後、乗り捨てられた逃走車両を確保した。

 インターネット上では23日、逃走犯の可能性があるウイグル族2人の氏名や写真などが載った手配書が流れているが、当局が発行したものかどうかは不明だ。現場指揮のためウルムチ入りした中国政府の治安責任者、郭声●(=王へんに昆)(かく・せいこん)・国務委員兼公安相(59)は、「テロに対する人民戦争」を戦うとして、治安の回復に向けて徹底措置を取る考えを表明した。

 また、自治区の公式ニュースサイト「天山網」によると、ウルムチ市の公安当局は「小中学生の安全を守るために」市内の学校周辺100メートル以内での駐車を禁止する措置を決め、即日実施した。車両を使ったテロ防止策の一環とみられる。

 香港の人権団体は、新疆ウイグル自治区西部のアルトゥシ市内で23日未明、巨大な爆発音があり、多数の装甲車や警察車両が現場に殺到したと伝えたが、中国の官製メディアはアルトゥシでの爆発音について報じていない。

 ≪車改造や綿密下見 唯一の朝市狙う≫

 ウルムチで5月22日に発生した爆発事件では、ウルムチ市内で唯一閉鎖されなかった朝市が狙われた。現場近くの住民の証言では、実行犯グループは事前に下見を重ね、市場入り口の障害物を乗り越えるために車両を改造していた。多数の住民が犠牲となった今回の爆発事件は綿密に計画された組織的犯行だった。

 現場近くに住む複数のウルムチ市民の話では、4月30日にウルムチ市の駅前で爆発事件が発生したのを受け、地元当局は「人が密集する場所がテロリストに狙われやすい」との理由で、市内にある10以上の朝市と夕市の閉鎖を命じた。しかし、この朝市の近くには住民が多いことや、スーパーから遠く離れていることなどから、住民の強い要望で9月まで存続することになった。

 ウルムチ市に唯一残った朝市は、野菜などの値段がスーパーより3割ほど安かったことから、事件当時、別の地域から来ていた人も多かったという。約120人の死傷者のほとんどは買い物客の老人で、漢族が大半を占めていたという。

 犯行には、市場への突入用と逃走用にそれぞれ2台の車両が用意されたとの証言がある。治安当局が市場の入り口に自動車の進入を防ぐために高さ約1メートルの障害物を取り付けたが、突入した2台は、いずれも四輪駆動車で、障害物を越えるために車高を高くする改造が施されていたという。

 事件の一部始終を目撃した60代の漢族女性は、「事件前に同じ自動車を市場の近くで何度も目撃したこともある」と証言した。実行犯が下見を重ねていた可能性が高い。

 地元警察は23日、この朝市の閉鎖を決めるとともに、市内のすべての学校周辺100メートル以内での駐車を禁止した。車両を使ったテロの再発防止のためとみられる。

 事件が起きた現場は23日朝、自動小銃を持った武装警察や警察官が警備に当たり、道路が封鎖された。事件現場を撮影しようとした複数の外国人記者が一時拘束されるなど、緊張感が漂っている。(ウルムチ 矢板明夫/SANKEI EXPRESS

 ≪北京「反テロ総体」を発足≫

 5月23日付の中国各紙によると、北京市公安局はテロ活動を専門に取り締まる「反テロ総隊」を新たに発足させた。北京駅や繁華街の王府井など人通りが多い市内14カ所を重点的に警備し、突発事件が起きた際に1分以内での対応を目指す。

 中国紙、法制晩報(電子版)は5月23日、北京の繁華街をつなぐ「天安門東」など地下鉄の5駅で、警察官が23日から初めて拳銃を携行し、警備に当たっていると報じた。市公安局は23日、警戒態勢を最高レベルに引き上げ、全ての公安関係者に当面は休暇を取らず「臨戦状態」で勤務に当たるよう指示。新疆ウイグル自治区ウルムチのテロを受けた措置とみられる。

 北京市は最近、暴力を伴う示威行為やテロ活動を専門に取り締まる武装車両部隊を発足させたばかり。習近平指導部は中国で多数が死傷する暴力事件が続発していることに強い危機感を抱いており、首都の治安を全力で守る構えだ。

 北京市は反テロ総隊のほか、ヘリコプターや150台の武装車両を配備し、市内全体を警戒する方針を打ち出した。

 市民からは「まるで内戦が始まったみたいだ」と戸惑いの声も上がっている。(共同/SANKEI EXPRESS

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