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米国 たばこ賠償 仰天2.4兆円 「肺がんで夫死亡、喫煙原因」 妻の訴え認める
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世界禁煙デーの5月31日、インド北東部のガウハティで、お構いなしにたばこをくゆらす男性。禁煙に対する取り組みは国によって大きな差があるが、米国での喫煙規制は世界有数の厳しさで、裁判にも反映されている=2014年(AP) 米フロリダ州エスカンビア郡の裁判所の陪審は7月18日、夫が肺がんで死亡したのは長年の喫煙が原因だと主張する女性の訴えを認め、米たばこ業界2位のRJレイノルズ・タバコ社に懲罰的賠償約236億ドル(約2兆3900億円)の支払いを命じる評決を出した。米メディアが19日報じた。1人の原告に対する賠償金額としては全米でも類例がないほどの高額で、キャメルなどの製品で知られるレイノルズ側は「到底受け入れられない手に負えない評決」として異議を申し立てる方針。多分に政治的なメッセージが込められた懲罰的評決とはいえ、仰天の数字に関係者も驚きを隠せないでいる。
訴えていたのは、フロリダ州最西部のエスカンビア郡ペンサコーラ市に住むシンシア・ロビンソンさん。米紙ニューヨーク・タイムズにロビンソンさんは19日、「評決の読み上げを最初に聞いた時、(金額の単位が)ミリオン(100万)だと聞こえたの。2360万ドル(約24億円)だから、やったと思って興奮したわ。でも後で弁護士にビリオン(10億)だと教えられて、もう仰天。236億ドルなんてとても信じられない」と話した。
ホテルの送迎用シャトルバスの運転手をしていたロビンソンさんの夫は、13歳で喫煙を始め、レイノルズの製品であるクールを20年以上にわたって1日当たり1~3箱吸い、1996年に36歳で肺がんで亡くなった。ロビンソンさんは、夫の肺がんの原因が喫煙であることは明白で、メーカーが健康への悪影響や中毒性を意図的に隠蔽(いんぺい)したために夫は喫煙を止めることができなかったと主張した。
訴訟は、元々はフロリダ州でかつて起こされた集団訴訟の一つに含まれていたが、フロリダ州最高裁が2006年、「健康被害の認定は集団訴訟という形式では難しく、妥当でない」として、たばこの喫煙に関する損賠訴訟は個人による訴えしか認めないとする判断を示したため、08年、ロビンソンさんは単独訴訟に切り替えて賠償を求めていた。6人の陪審団による評議は2日間(正味15時間)に及び、今回の評決では、懲罰的賠償の他に1680万ドル(約17億円)の損害賠償も遺族側に支払うよう命じた。
レイノルズのジェフリー・ラボーン副社長は「この評決は妥当性や公平さという点において、許されるべき領域からはるかにはみ出したものだ。金額も巨額すぎて合理性にも欠く。まず異議を申し立て、認められなかったら、上訴するしかない。最終的には納得できる線で決着すると確信している」と語った。一方、ロビンソンさんの弁護士のクリストファー・チェストナット氏は「勇気ある評決だ。計算ずくのリスクを背負って健康被害が確実なたばこを売り続けたレイノルズは、評決の意味、重みをかみしめるべきだ」と反論している。
今後の裁判の行方が注目されるが、米国では、たばこ訴訟は上級審にいくと賠償額が大幅に減らされるケースが多い。かつてフィリップ・モリス社は2002年に集団訴訟でロサンゼルスの裁判所の陪審団から280億ドルの支払いを命じられたが、最終的には9年後に1000分の1の2800万ドルで決着している。ただ、今回は個人訴訟でこの巨額賠償。たばこ訴訟が新たなステージに突入したことを暗示しているかのようでもあり、目が離せない状況だ。(SANKEI EXPRESS)