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大切なもの得るには我慢も必要 映画「幕末高校生」 玉木宏さんインタビュー
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「勝は新しいものをすんなり受け入れる人だから、現代人がタイムスリップしてきても、疑問はそれほど持たないだろうなあ」と語る、俳優の玉木宏さん=2014年6月13日、東京都港区(鴨川一也撮影) 「デトロイト・メタル・シティ」の李闘士男(としお)監督(50)がコメディータッチで描いたSF時代劇「幕末高校生」。石原さとみ(27)とのダブル主演で、旧江戸幕府の陸軍総裁、勝海舟を演じる玉木宏(34)は「凛としたイメージを持たれている勝海舟の人間味にあふれた新しい一面を提示できました」と満足そうだ。
高校の日本史教師、未香子(石原さとみ)と教え子たちが、幕末は1868(慶応4)年の江戸へタイムスリップ。新政府軍による江戸総攻撃が迫る中、勝海舟(玉木宏)と出会う。着々と軍を進める新政府軍参謀、西郷隆盛との和平交渉に精力を注ぐ勝に対し、未香子は「江戸で戦は起きない」と教えるが…。
多くの時代劇に出演し、馬も乗りこなせるようになった玉木は、時代劇の目利きといってよいだろう。本作の脚本を読んだ玉木は「大切なものを手に入れようと考えたときに必要となる忍耐力の大切さを教えてくれた」と、そのメッセージ性の強さに即座に出演を希望した。
では具体的にどんな忍耐力を意味するのだろう。新政府軍を前にまるで打つ手なしの幕府の責任者にあって、勝が一見、ただひたすらに堪え忍んで、ときに同僚が仕掛けてくる激しい権力闘争をいなし続ける-、その卵を抱いたコウテイペンギンのような様を、玉木は指摘した。「勝はあえて何も考えていないふうを装っただけの話です。ちゃんと江戸城の無血開城へと向かって思考は進んでいます。もし勝が不安な表情を浮かべれば、周囲も不安に陥ってしまうでしょう。それが勝の男らしさであり、忍耐力です」。玉木はインターネットを通じて何でも情報が手に入る現代社会にも思いをはせ、「大切なものであればこそ、余計に手に入れるまでには我慢も必要」との考えを示した。
ただ、自分が忍耐の人かと言えば、それは状況次第だという。「押してもだめなら、引いてみることも必要だと思います。自分が興味あることへの最初の一歩を振り返ると、いつも自分でアクションを起こしています。頭で考えていても、何も進まないですよね」。趣味についても、自分に合っていれば続ければいいし、どこか肌に合わなければやめればいい。だから引き際はしっかりと見極めているそうだ。
もし20~30年後の未来へタイムスリップしたら…。玉木は自戒を込めて語った。「『まだまだ甘いな』と感じられる自分でいたい。いろんな経験を積んで、未来の地点に立ってはいても、とても恥ずかしくて過去の出演作品をみられないような自分でありたい」。7月26日、全国公開。(文:高橋天地(たかくに)/撮影:鴨川一也/SANKEI EXPRESS)