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プレッシャーより「ありがたい挑戦」 映画「カラアゲ★USA」 高橋愛さんインタビュー
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「(大分県)宇佐市の空揚げ店は、店によって味が違うから面白い。食べ歩きしたら面白いですよ」と語る、女優の高橋愛さん=2014年8月6日、東京都港区(寺河内美奈撮影) 「モーニング娘。」の元リーダー、高橋愛(28)が9日、鳥の空揚げ専門店の発祥地とされる大分県宇佐市の観光大使に就任した。福井県出身の高橋が縁もゆかりもない宇佐市の大役を快く引き受けたのは、この地を舞台に父と娘の確執と和解を描くハートウォーミングなご当地映画「カラアゲ★USA」(瀬木直貴監督)への出演がきっかけだった。
「脚本を渡され映画のタイトルを目にしたとき、一瞬、これはコメディーかなと思いました。宇佐市が鳥の空揚げで有名で、映画化が真剣な町おこしの一環だと知って、撮影では気を引き締めて臨みました」と高橋。タイトルのUSAは、宇佐市の「うさ」と、鳥の空揚げが大嫌いな主人公・彩音の“逃亡先”である米国(USA)をかけたものだという。
5年ぶりに彩音(高橋)は米国から宇佐市の実家へ戻ってきたが、鳥の空揚げ専門店を営む父の隆輔(石丸謙二郎)は口をきこうともしない。店を継がせようとしても、彩音は首を縦に振らず、米国へ渡って金にだらしない現地の男と結婚してしまったからだ。隆輔は、バツイチとなった彩音が連れ帰った元夫の連れ子、シャーリー(プリンセス・アプラク)を見るや激高し、彩音との対立をさらに深める。そんなある日、隆輔は心筋梗塞で倒れ、店が立ち行かなくなってしまう。市内には米国製フライドチキンのチェーン店が進出してきて…。
高橋は映画初主演。作中では慣れない英語や宇佐市の方言でのやり取りが多く、映画を待ち望む宇佐市民の期待も背負ったことで、プレッシャーは並々ならぬものだったろう。だが当の高橋は冷静そのものだった。「ここが私の勝負どころ。ありがたい挑戦と受け止めていたので、苦ではありませんでした」。実は、高橋にはあえて自分を追い込まねばならない理由があった。
「私は『モーニング娘。』を卒業後、人気グループの看板に頼らず、高橋愛という一人の存在を世間に認めてもらわなければならない-との一心でこの3年間を突っ走ってきたんです。(プロデューサーの)つんく♂さんが『モーニング娘。は修行の場』とよく言ってました。それは今も一緒。私はあえて恵まれているとはいえない仕事環境を選んだので、気を抜いたことはありませんでした」
やがて彩音は隆輔を助けようと鳥の空揚げ作りを決意し、鳥の空揚げの味を競うコンテストに備えることになる。思い立ったらすぐに行動に移す彩音にはどこか高橋と似ていて、共感もしたし、愛着がわいたそうだ。さて、鳥の空揚げといえば高橋の大好物だという。「母がよく家で作ってくれた、できたてほやほやが大好き。でも本場・宇佐市の空揚げにやはり味ではかないませんね。冷めてもおいしいから不思議です。彩音は鳥の空揚げが嫌いだったので、撮影中の私は食べられないもどかしさでいっぱいだったんですよ」。9月20日から有楽町スバル座ほかで全国順次公開。(文:高橋天地(たかくに)/撮影:寺河内美奈/SANKEI EXPRESS)
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