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秘密わくわく テーマパークなカフェ 「カカオ マーケット バイ マリベル」
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壁の本棚を埋め尽くす年代物の洋書の数々や、重厚感漂う使い込まれた印象のいすやテーブルは古き良き米国スタイルを踏襲した=2014年8月29日、京都市東山区(恵守乾撮影)
2012年4月末、東京ではなく京都市に日本1号店を開業させ、話題となったセレブ御用達のニューヨークの高級チョコレート専門店「マリベル」が昨年9月、京都・祇園の玄関口にオープンした新ブランド店「カカオ マーケット バイ マリベル」。既に観光客らでにぎわう人気スポットとなっているのだが、このお店の地下に9月10日、米映画「ハリー・ポッター」的雰囲気を漂わせる新タイプのカフェが登場。カフェブームに沸く京都で早くも女子の注目を集めている。
鴨川を間近に望む川端通沿いのシックでモダンな建物。京阪電鉄の祇園四条駅から北に徒歩1分という絶好の立地に加え、今年3月、京都にふさわしい屋外広告物として京都市が表彰する京都景観賞の屋外広告物部門で優秀賞に選ばれるなど、開業から約1年にして単なる人気店にとどまらない評価を受けている。
さらに、さまざまな高級チョコレートやスイーツ類が所狭しと並ぶ店内はまるでテーマパークのよう。実際、ガブリエル、ラファエル、ミカエルという3人の天使が店内中央のチョコレートファウンテンの上でチョコづくりに精を出しながら、顧客のショッピングを見守るというコンセプトは文字通りテーマパーク的で、女子なら店内に足を踏み入れただけでうきうきするはずだ。
もともとホットチョコレートやサンドイッチなどをテークアウトできたり、店外にそれらを楽しめるイートインの小スペースがあったのだが「3人の天使が『もっとお客様にゆっくりしてほしい』という願いから、おいしいチョコレートを作るための勉強に使っていた地下にある『天使のライブラリー(図書館)』をカフェにした」(マリベル京都本店のブランドマネージャー、濱田紀穂氏)という。
早速、案内してもらったが、カフェへの入店にはまず、カカオマーケットの店内で“秘密の暗証番号”を入手し、入り口のドアの上部にあるプッシュ型のキーにその番号を打ち込まねばならない。店内に到着するまでのわくわく感を増幅させるための仕掛けだが、秘密めいた面白さがある。
そんな入り口のドアから階段を降りると薄暗く落ち着いた雰囲気のカフェにたどりつくが、広さ約33平方メートル、カウンター8席を含め計24席と想像以上に広がりのある空間が眼前に。重厚感漂う使い込まれた印象のいすやテーブル、ソファは古き良き米国スタイルというが、壁の本棚を埋め尽くす年代物の洋書の数々などを眺めているとハリポタの世界に迷い込んだ気になる。窓辺からは白川の流れも楽しめ、京都の風情が堪能できるのもうれしい。
無論、メニューの方もこの特別な空間にふさわしいものばかり。「スパークル レモン(レモンケーキ)」はピール(皮)やジュース、ゼスト(皮のすり下ろし)とレモンをふんだんに使って焼き上げた逸品。「スフレチーズスター」は、スフレチーズケーキに添えられた星形のチョコレートが印象的。「流れ星にぜひ願いを込めてほしい」と濱田氏。
また、店内で販売中のジェラートから好きな3種類を選ぶ「トリプルエンジェルジェラート」や、マリベル発祥のニューヨークのビッグアップルにちなんだ「ザ ビッグアップル ガーデン」もおすすめだ。
京都のカフェブームは特集本やガイド本が何種類も発売されるなど全国規模に拡大中だが、大阪のユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ)に続き、京都・祇園の入り口に登場したハリポタの世界を連想させるカフェは、秋の行楽シーズンに盛り上がること間違いなしだ。(文:岡田敏一/撮影:恵守乾(えもり・かん)/SANKEI EXPRESS)