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科学
火星軌道到達 印首相「エリート国の仲間入り」
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2013年11月、火星探査機の模型を手にするインド宇宙研究機構(ISRO)のラダクリシュナン議長(AP) インド宇宙研究機構(ISRO)が打ち上げた火星探査機「マンガルヤーン」が24日、火星の周回軌道入りに成功した。米国、ロシア、欧州の探査機に次ぎ4番目の到達で、アジア初の功績となった。インドは、低費用と独自技術により宇宙大国入りを目指している。軌道到達の成功で、国威発揚につながるだけでなく、裾野の広い産業育成にも寄与することを狙う。今後、一段と宇宙開発を加速する契機となりそうだ。
ISROによると、マンガルヤーンは24日午前7時(日本時間午前10時半)ごろから、火星の軌道入りの動作を開始した。火星に接近するとともに減速。エンジン噴射で方向修正、午前8時ごろ軌道入りに成功した。
インドのナレンドラ・モディ首相(64)は計画成功後、ISROの本部で演説し、「今日、歴史がつくられた」と称賛。「初の挑戦で成功した国はインドだけだ。インドは世界のエリートクラブの仲間入りを果たした」と強調し、科学者らを祝福するとともに、国民を鼓舞した。
地元メディアの報道も祝福一色。日本、中国を出し抜いてアジア初の成功を達成したことから「インドが低コストの宇宙開発の中心地だけではなく、問題解決へ導ける国ということを中国に見せつけた」(大手紙ヒンズー電子版)などと報じた。
ISROによると、今回の計画の予算は約45億ルピー(約80億円)。今月21日に火星を回る軌道に到着した米国の探査機「MAVEN(メイブン)」の予算は約6億7000万ドル(約728億円)とされ、格段に低コストだ。
マンガルヤーンは昨年11月5日に国産ロケットで打ち上げられ、12月1日に地球の軌道を離れ、火星へ向かっていた。今月22日には、最終テストに当たるエンジン試噴射に成功した。
マンガルヤーンは火星に着陸する計画はないが、高性能カメラや、大気中のメタンや水素を観測するセンサーを搭載。軌道到達後、地表や大気などの調査を始める。
火星の探査には日米欧露中などが挑戦しているが、成功率は高くない。地球との交信に5~20分程度かかり、遠隔操作が難しいことが原因とされる。
米航空宇宙局(NASA)の資料によると1960年以降、各国が試みた着陸や周回軌道への投入は、探査機「マンガルヤーン」を含め43回あるが、20回以上が失敗。アジア勢では日本の探査機「のぞみ」が2003年に火星に接近したが故障で軌道入りは断念している。中国も11年に失敗した。
計画達成の難しさから「火星の呪い」と呼ばれる。米国は無人探査車「キュリオシティー」が調査を進めるなど、実績で群を抜いている。(共同/SANKEI EXPRESS)