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「ななつ星」だけじゃない 見て、乗って、撮って楽しいJR九州の観光列車

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「ななつ星」だけじゃない 見て、乗って、撮って楽しいJR九州の観光列車

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宮崎-南郷を走る「海幸山幸」。車両には地元特産の飫肥(おび)杉が使われている。後方には日南海岸の名所、七ッ岩が見える=2014年7月26日、宮崎県日南市(鈴木健児撮影)  予約できるのは半年先から、しかも毎回十倍近い倍率で、話題となっているJR九州の豪華観光寝台列車「ななつ星」。深いワインレッドの重厚感あふれる外観に、まるでオリエント急行のような超豪華な車内に憧れる人は多いだろう。しかし、九州を走るユニークな観光列車は、ななつ星だけではない。雄大な阿蘇の山間を走る「あそぼーい!」、桜島の絶景を間近に眺めながら錦江湾沿いを行く「指宿(いぶすき)のたまて箱」…。

 今、九州では見て、乗って、撮って、さまざまな楽しみ方ができる観光列車が相次いで登場している。マイカーを最大の移動手段とする九州では、日常の移動に鉄道を利用する人は少なく、ローカル線が多くてドル箱路線もない鉄道事業は赤字続きだ。そこでJR九州は、豊富な観光資源を活用して、列車の旅そのものを楽しみながら観光地へ客を運ぶ方法を模索。思わず乗りたくなるような観光列車を生み出した。鉄道を点から点の単なる「移動手段」ではなく、「乗ることそのものが目的」となるようなシフトチェンジに成功したのだ。現在では人気路線は予約が殺到、親子連れを中心に旅行客でにぎわう。

 JR九州は1989年3月から博多-別府間で「ゆふいんの森」の運行を開始。人気温泉地、湯布院を通る欧風モダンな車両は大人のリゾート列車として人気を集めた。その後、九州新幹線が部分開業した2004年と、全線開通した11年を機に9路線の運行を開始した。

 ≪雄大な景観満喫 ひと味違った鉄道旅≫

 D&S(デザイン&ストーリー)列車と称して、その土地ゆかりの物語に合わせた列車の運行を始めた。現在は「ゆふいんの森」「A列車でいこう」「SL人吉」「あそぼーい!」「九州横断特急」「いさぶろう・しんぺい」「はやとの風」「指宿のたまて箱」「海幸山幸」など色とりどりの列車が九州全土をつなぐように走っている。来夏には、新しいD&S列車の運行を開始する予定もあるという。

 車両は従来使用していたものに車両デザインの第一人者である工業デザイナーの水戸岡鋭治氏が改良を施し、温かみのある木製インテリアが基調。本棚が付いたソファ席や、海に面したカウンターがある回転いす席など従来の列車には決してなかったユニークな構造になっている。

 2011年6月4日にデビューし、熊本-宮地(熊本県阿蘇市)間を約90分で走る4両編成の「あそぼーい!」は、先月、世界ジオパークに認定された阿蘇の美しい山並みを抜けて走る。車内には子供向け図書室や木のプールがあり親子連れに大人気だ。

 阿蘇の景観を満喫できるようにと車両の両端に備えられた全面展望パノラマシートは特に人気が高く、予約可能な乗車1カ月前にほとんど満席になってしまうという。

 吉松(鹿児島県湧水町)-人吉(熊本県人吉市)を走る「いさぶろう・しんぺい」は、霧島連山や桜島を望み「日本三大車窓」に数えられる眺望とループ・スイッチバックが特徴の赤い列車。途中駅で停車して駅弁を買ったり、お茶や名産の梨などが振る舞われたりと沿線の魅力も満喫できる。

 白と黒の車体が特徴的な「指宿のたまて箱」(鹿児島中央-指宿)は今年6月の大豪雨による土砂崩れで脱線し、1カ月弱の運休を強いられたが、夏休み前に運行を再開した。

 いずれの路線も客室乗務員が同乗し、沿線の観光名所や路線の特徴が車内アナウンスされるほか、名所では数分間停車したり、日付が入ったフォトパネルと車掌の帽子を持って記念写真ができるなどのサービスも。その列車でしか買えない記念グッズや駅弁も販売されるなど、鉄道ファンならずとも、ひと味違った列車の旅を十分に堪能できる。(写真・文:写真報道局 鈴木健児/SANKEI EXPRESS

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