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やりたかった事、怖がらずに挑戦 映画「ぶどうのなみだ」 安藤裕子さんインタビュー

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やりたかった事、怖がらずに挑戦 映画「ぶどうのなみだ」 安藤裕子さんインタビュー

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「死ぬまでに何ができるのか」。アーティストの安藤裕子(ゆうこ)さんは挑戦する道を選んだ=2014年9月30日、東京都港区(財満朝則撮影)  大勢のファンを魅了してきた実力派の人気歌手といえども、意外や意外、大のあがり症だという。「血圧が上がってしまうのか、汗がボタボタと吹き出してきて、目も赤くなってしまって…。緊張って怖いなあ」。慣れない映画の舞台あいさつでステージに立つとなれば、緊張するのはなおさらのことだろう。

 安藤裕子(ゆうこ、37)は北海道・空知(そらち)地方のぶどう畑を舞台にした人情物語「ぶどうのなみだ」(三島有紀子監督兼脚本)でヒロインを演じた。これまで数本の映画に出演したが、主役級で臨んだのは本作が初めて。「どう演技すればいいのか…というのが正直な気持ちでした。でも、監督が事前に数日間、演技のワークショップを開いてくれました。演技についていろいろと考え、頭でっかちになってしまうよりも、読み合わせや立ち稽古を通して『演技とはこうだよ』と、実際に体で教えていただきました」。案ずるより産むがやすしだったそうだ。

 どこかおこがましくて

 父が残した空知の農園を継いで、兄のアオ(大泉洋)はワインを造り、年の離れた弟のロク(染谷将太)は小麦を育てていた。アオは音楽家の夢破れて故郷に帰ってきたものの、なかなか理想のワインにはたどり着けない。そんなある日、真っ赤なワンピース姿の謎の旅人、エリカ(安藤)がキャンピングカーで乗りつけ、農園の前で大きな穴を一心不乱に掘り始める。不思議な魅力を放つエリカは、アオとロクの穏やかな日常に少しずつ変化をもたらしていく。

 アオやロクに劣らず「何かモノを作っていないと、基本的に落ち着かない」と安藤。すでに高校時代、小説を執筆していたし、「将来、映画を作ってみたい」との思いも募らせていた。大学に進学後、映画界へさまざまにアプローチするも実を結ばず、むしろ、思いがけず始めた音楽活動の方が世間に求められるようになって、結果的に仕事になった。以来、安藤は「映画に携わるのはどこかおこがましくて…。自分にできないだろう」と折り合いをつけた。

 東日本大震災のすぐ後、体調を崩した祖母が急逝したことを受け、映画への消極的な姿勢に変化が生まれた。「自分が子供を宿していたこともあって、人の生死に関心を持ち『自分が死ぬまでに何をしたいのか』を強く意識するようになりました。書きかけの小説や、携わりたかった映画の仕事。怖がらずに挑戦し、恥をかいてから死ねばいいのではないか」

 そんな決意を固めた後、ほどなく本作への出演の打診が舞い込んだ。あがり症などとは言っていられない。自分との新たな戦いを告げるゴングが鳴ったのだ。10月11日、全国公開。(文:高橋天地(たかくに)/撮影:財満朝則/SANKEI EXPRESS

 ■あんどう・ゆうこ 1977年5月9日、神奈川県生まれ。2003年、シンガー・ソングライターとしてメジャーデビュー。主な作品は、10年の5thアルバム「JAPANESE POP」、14年のアコースティック・ミニアルバム「Acoustic Tempo Magic」など。メーク、スタイリング、ミュージックビデオの監督-と活動は多彩だ。

 ※映画紹介写真にアプリ【かざすンAR】をインストールしたスマホをかざすと、関連する動画を視聴できます(本日の内容は6日間有効です<2014年10月15日まで>)。アプリは「App Store」「Google Playストア」からダウンロードできます(無料)。サポートサイトはhttp://sankei.jp/cl/KazasunAR

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