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「敬虔な気持ち 今後の励みに」 世界文化賞授賞式

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「敬虔な気持ち 今後の励みに」 世界文化賞授賞式

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常陸宮殿下から顕彰メダルを授与される演劇・映像部門のアソル・フガード氏=2014年10月15日夕、東京都港区元赤坂の明治記念館(小野淳一撮影)  優れた芸術の世界的な創造者たちを顕彰する「高松宮殿下記念世界文化賞」(主催・公益財団法人日本美術協会=総裁・常陸宮殿下)の第26回授賞式典が15日、常陸宮、同妃両殿下をお迎えして東京・元赤坂の明治記念館で行われた。

 今回は、エストニアから初受賞となるアルヴォ・ペルト氏ら5人=別表=が受賞。歴代受賞者は26カ国、134人となった。

 式典では、日本美術協会の日枝久会長のあいさつに続き、受賞者を推薦した同賞国際顧問の6氏がスピーチ。国際顧問の中曽根康弘元首相は「受賞者の皆さんは日本文化をこよなく愛されていますが、作品は人間性と普遍性にあふれ、芸術文化のすばらしさを訴えている」と話した。安倍晋三首相はビデオメッセージで、「素晴らしい芸術は国境を超える。受賞者の皆さまが今後も世界に感動と共感を与え続けることを期待しています」と祝辞を寄せた。

 この後、常陸宮殿下から受賞者5人に顕彰メダルが授与され、日本美術協会の森英恵(はなえ)副会長らからそれぞれ感謝状が贈られた。賞金は各1500万円。

 常陸宮殿下のお言葉の後、受賞者を代表して劇作家のアソル・フガード氏が「敬虔(けいけん)な気持ちで賞を受けさせていただくとともに今後に向けての励みとしたい」と謝辞を述べた。また、南アフリカの民主化に書物や音楽などが果たした役割にも触れ、「芸術は社会に大きな変革をもたらすことができる。今回の受賞は私どもの仕事がまだ終わっていないということを思い起こさせる」と語った。

 引き続いてカクテルレセプション、祝宴が開かれ、文化人、政財界人、各国大使ら約300人が出席した。下村博文(しもむら・はくぶん)文部科学相も駆けつけ、受賞者を祝福。国境やジャンルを超えた人たちの交歓の輪が広がった。

 ≪次回受賞者 来年9月上旬発表≫

 高松宮殿下記念世界文化賞の国際顧問会議が15日、東京・虎ノ門のホテルオークラ東京で開かれ、次回受賞者は来年9月上旬に発表し、授賞式典を10月21日に東京で開催することを決めた。

 国際顧問会議では、今回、アフリカ大陸などから初の受賞者が選ばれ、受賞者の地域的な拡大が進んでいることに触れ、今後も芸術的な水準を維持しながら受賞者の文化的、地域的な拡大を進めていくことなどを確認した。

 【常陸宮殿下のお言葉】

 今年も、6名の国際顧問の皆様、5名の受賞者の皆様をお迎えし、第26回「高松宮殿下記念世界文化賞」の授賞式が開かれますことは、この上ない慶(よろこ)びであります。

 今年の受賞者には、初めて、南アフリカからアソル・フガードさん、エストニアからアルヴォ・ペルトさんが加わり、受賞者の出身地域が26カ国に拡大するという画期的な年となりました。

 これは、国際顧問の皆様が、受賞候補者の推薦にあたって広く世界に目を向けて取り組まれた結果だと思います。

 受賞者の皆様にお祝いを述べると共に、今後一層の研鑽(けんさん)を重ねられて、ますます業績を上げられることを願ってやみません。(SANKEI EXPRESS

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