SankeiBiz for mobile

NASAの管理に疑問も…「破滅的な失敗」 米無人ロケット爆発

ニュースカテゴリ:EX CONTENTSの科学

NASAの管理に疑問も…「破滅的な失敗」 米無人ロケット爆発

更新

無人補給機「シグナス」(直径約3メートル、長さ約5メートル)の打ち上げ失敗=2014年10月28日、米バージニア州・米航空宇宙局(NASA)のワロップス飛行施設  米国の衛星打ち上げ会社オービタル・サイエンシズは28日(日本時間29日)、国際宇宙ステーションに物資を運ぶ無人補給機「シグナス」(直径約3メートル、長さ約5メートル)を米バージニア州にある米航空宇宙局(NASA)のワロップス飛行施設から打ち上げたが、ロケットが直後に爆発、発射場に落下して炎上し、打ち上げは失敗した。NASAによるとけが人はなく、被害は発射場の周辺に限られる。オービタル社は「破滅的な失敗だ」として調査チームを設置し原因究明を始めた。主エンジンにトラブルがあった可能性が指摘されるが、オービタル社の責任者は記者会見で「何が起きたか分かるには1~2週間かかる」と述べた。

 オバマ政権に打撃

 シグナスには、千葉工業大が開発に参加した流星観測カメラ「メテオ」を含む2トン超の科学実験器材や食料が搭載されていたが全て失われた。

 オービタル社は、オバマ米政権が2011年に退役したスペースシャトルに代わってステーションへの物資輸送を委託した二つの民間会社の一つ。もう一方のスペースXの宇宙船に物資を振り分けることも検討するが、民間委託による宇宙開発を推し進めたバラク・オバマ大統領(53)にとっては11月4日の中間選挙を前に大きな打撃となりそうだ。

 スペースシャトルの退役後、米国や日本を含む国際宇宙ステーション計画の参加国は、飛行士の輸送をロシアのソユーズ宇宙船に依存する状況になっている。NASAは17年に米国の民間宇宙船でステーションへの有人飛行を始める計画だが、その前提となっているのが12年から始めた民間企業による物資輸送が順調に進むことだった。

 NASAの管理に疑問も

 オービタル社は有人宇宙船を開発しないため、有人計画への影響は少ないとみられるが、NASAは今後の物資輸送計画の一部見直しが必要になるとの考えを示した。宇宙大国だった米国の威信は失墜し、NASAの安全管理体制に根本的な疑問が示される可能性もある。

 シグナスのステーションへの打ち上げは4回目。これまでの3回は全て成功していた。発射場周辺はロケットや補給機の破片が散乱しているとみられ、NASAは安全確保と事故調査のため現場を封鎖した。

 打ち上げに使ったアンタレスロケットは2段式。ジェット燃料と液体酸素を搭載した1段目ロケットの下部には、旧ソ連時代に開発されたエンジンを米企業が改造した主エンジンが2基据え付けてある。映像では上昇直後に主エンジン付近で最初の爆発が起きたように見える。NASAは主エンジン点火から6秒後に異常があったことを示唆。オービタル社の責任者は10~12秒後に異常が起き、20秒後に安全のためロケットを指令破壊したと話した。(共同/SANKEI EXPRESS

ランキング