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コートは「ちょっと違う新しさ」で ファッションディレクターの関本美弥子さんに聞く
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ツイードとニットの異素材コンビが新鮮なトリアーのコート(6万3000円)=2014年10月30日、東京都中央区銀座(野村成次撮影)
風がだんだん冷たくなり、コートが恋しくなる季節になりました。「今年はコートが主役です」と東京・松屋銀座の東京生活研究所のファッションディレクター、関本美弥子さん。素材は昨年から復権してきたウールなどに加えて、定番だったダウンでも色、柄、デザインをさまざまに組み合わせ、「これまでとちょっと違う新しさ」を演出したコートがそろっています。
まずはミリーのフェイクファーのコート。白地に銀のスパンコールでアクセントをつけた、ドレス風のゴージャス感が楽しめる。白は今年の春夏シーズンから注目度がアップ。関本さんは「本物のファーは高価なので、フェイクで楽しみましょう。ポリエステル素材で軽く、デニムの上にカジュアルに着ても素敵です」と話す。
タロウホリウチは、背中のバラのアップリケがスタジアムジャンパーを連想させる。首回りと裾の一部にリブ編みを使用。「今年の秋冬の『ニット復権』の一例ですね。人気が根強いスポーティー感を、フェミニンに着こなすのもポイントです」(関本さん)
トリアはツイードとニットの異素材コンビ。「これもニット復権の一つ。少し寒くなってきた今の時期、羽織るとちょうどいいですね」(関本さん)
クリスティーナ ティは左袖だけカラフルなスパンコールを刺繍(ししゅう)した、クリスマスが待ち遠しくなるデザイン。関本さんは「アシンメトリー(左右非対称)は来春、本格的なトレンドになりそう」と解説、コートで流行を先取りしよう。今年の秋冬のトレンドカラー「ウィンター・パステル」を取り入れた、ペールピンクの色にも注目したい。
アリス アンド オリビアのツイード風コートは、取り外し可能なファーを胸元につけるとゴージャス感アップ。グリーンなど青みがかった色はこの冬の注目株で、寒色系なのに、ぬくもりを感じられるのがツイードのいいところ。
一方、一昨年までコート市場を席巻していたダウンは昨年以降、ウール等のコートが復権してきたことにならい、以前のイメージを一新するデザインが出てきている。
ナネットレポーのコートは、薄手のダウンで、光沢のある茶色地に黒の刺繍をあしらった「ダウン・プラス・アルファ」のおしゃれ感がある。「ドレスにも合わせられて、新鮮なコーディネートができますね」(関本さん)
ケイト スペード ニューヨークのダウンコートは定番のネイビーカラーながら、首元に大きなリボンをあしらったかわいらしいデザイン。裾の長さはひざ元までと短めで、スカートが少しのぞいても構わない。長いコートだと重い印象を与えることもあり、膝が隠れるかどうかの長さは軽快でいい。コーディネートのコツについて、関本さんは「全身のバランスを取るなら、ロングブーツを合わせるといいですよ」と教えてくれた。
コートに合わせるブーツではロングとショートの2品を紹介。スエード素材を合わせると新鮮だ。色は黒か茶色。白と同様に、黒も今年の春夏から注目度が高まっているという。グレーとベージュを掛け合わせた「グレージュ」も独特の風合いがある。
コートが防寒着として、地味な定番品が中心だったのは過去の話。いまは単品でも十分に楽しめる。豊富な品ぞろえを楽しみ、コーディネートも工夫したおしゃれを楽しもう。(文:藤沢志穂子/撮影:野村成次/SANKEI EXPRESS)
※価格はすべて税別です。