ニュースカテゴリ:EX CONTENTS
エンタメ
意中の相手には正直であることが一番 映画「あと1センチの恋」 リリー・コリンズさんインタビュー
更新
「10年後は私も母親になっていたい」と語る、女優のリリー・コリンズさん=2014年12月2日、東京都港区(ファントム・フィルム提供) 父親があの英国のカリスマ的ミュージシャン、フィル・コリンズ(63)と聞いて驚く読者も多いだろう。精悍(せいかん)な顔立ちの父親とは対照的に、次女のリリー・コリンズ(25)は、さながら愛らしいプリンセスといった面持ち。「グリム童話」を映画化した2012年「白雪姫と鏡の女王」(ターセム・シン監督)では主人公の白雪姫を好演、日本でのプレミア試写会で「人生を楽しむことを覚え、大人へと成長していく幸せを感じています」とお姫様モード全開のあいさつを披露してみせた。
そんなリリーが先日、幼なじみの男女の12年間に及ぶすれ違いの恋を描いた主演作「あと1センチの恋」(クリスティアン・ディッター監督)のプロモーションで2度目の来日を果たした。初めてシングルマザー役に挑戦したリリーは、「撮影当初はしっくりときませんでした。だから、私と母の関係を思い浮かべ、作品にそのまま映し出しました。私と母は恥ずかしいことでも何でも話し合える親友みたいな関係なんです。実年齢より上の女性を演じたことで『私にだって演技に幅があるんですよ』とアピールできました」と満足そうに語った。
原作は、アイルランドの小説家、セシリア・アハーン(33)の「愛は虹の向こうに」。彼女は小説、映画ともに大ヒットした「P.S.アイラヴユー」の原作者だ。
英国の田舎町で暮らすロージー(リリー)とアレックス(サム・クラフリン)は、6歳からの仲良しコンビ。何でも話し合える「親友」として高校生活を迎えた2人は、一緒に米国の大学へ進学することを約束する。だが、ロージーは“不慮の事故”が原因でろくでなしのクラスメートの子供を妊娠してしまう。すでに合格していたボストン大学でホテル経営を学ぶ夢は露と消え、ロージーは地元のホテルで下働きをしながら、子育てに専念することになる。一方、アレックスはハーバード大の医学部へ。別々の人生を歩み出したが…。
2人は互いに好意を抱いているのに、なかなか恋人関係に発展しないまま、ついには12年もの時間が流れてしまう。男女が結ばれるには何か特別な魔法でも必要なのだろうか。「意中の相手に対しては正直であることが一番。
また、しっかりとした自己が確立していなければならないでしょうね。男女が依存し合ってはだめ。あとは、信頼関係でしょうか。多少嫌なことを言わなければならない時もありますが、そのことでパートナーからの信頼や尊敬を損なうはずはない-というぐらいの自信が必要です」。リリーはストイックな恋愛観を語った。
本作に携わったことで、初恋の人とは結ばれない-という俗説がある程度、正しいものだと思えてきた。「そもそも恋愛とは、いろんな異性と付き合う中で、『自分はどんな人間なのか?』『自分には何が必要か?』が学べるように導いてくれるものだと思うんです。最終的に『自分とは何か』を理解できて初めて誰かと一緒になれる。初恋は特別なものかもしれません。後の人生でどんな異性と交際を重ねたとしても、初恋の相手には特別な思いがありますからね。だからこそ、ロージーとアレックスの話がよりユニークなものになるんでしょう」。12月13日、全国公開。(高橋天地(たかくに)/SANKEI EXPRESS)
※映画紹介写真にアプリ