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よみがえらせて「未来へ接続」 増田セバスチャン監督、有村架純 映画「くるみ割り人形」
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声優を務める有村架純(かすみ)さん(左)と増田セバスチャン監督=2014年9月26日、東京都港区(宮川浩和撮影) 幼い頃、地元・千葉県松戸市にある松戸サンリオ劇場で、コマ撮り人形アニメーション映画「くるみ割り人形」(1979年、サンリオ製作)を鑑賞した。その不思議な映像美は、アートディレクターとなった今でも強い印象として記憶にとどまっているそうだ。
そんな増田セバスチャンが思いがけずこの作品のネガフィルムに手を加えることになった。具体的にはネガフィルムをデジタル化したうえで、より色彩豊かな映像へと処理していったほか、新たに撮影したカットやアニメーションパートを挿入した。これまでライフワークとして世界に発信してきた日本の「Kawaii(かわいい)カルチャー」の息吹も感じ取れるようにして、同名の3D作品として大胆に現代によみがえらせたのだ。
ある雪の晩、少女クララ(声・有村架純(かすみ))は、大切にしていたくるみ割り人形をネズミの大群にさらわれてしまった。取り戻そうと必死に街中を探し歩いているうちに、人形たちが住む不思議な世界に迷い込むと、そこでは人形とネズミが壮絶な戦いを繰り広げていた。ほどなくクララは、くるみ割り人形には双方の戦いに絡んで悲しい秘密が隠されていることを知り、くるみ割り人形を守り抜く決意を固める。
仕事に着手した増田が真っ先に掲げたテーマは「過去から未来への接続」だった。「例えば、私の『くるみ割り人形』を鑑賞してくれた子供たちが、大人になってから『自分もあんな映画作ってみたいな』という気持ちになってもらいたいのです。僕はアートディレクターだから、ビジュアル作りには絶対の自信があります。だから作品の持つメッセージ性をどう伝えるかにより力を注ぎました」
同席した有村は今年、すでにスタジオジブリのアニメーション映画「思い出のマーニー」(米林宏昌監督)で声優を経験していたが、今回の吹き替えには大苦戦したそうだ。「Kawaii」を標榜(ひょうぼう)する増田監督からは「クララの幼くて、甘えた感じを前面に押し出してほしい」と要求されたものの、等身大の自分をぶつけようと臨んだ有村は「私とはまったく反対のタイプなのでペースがつかめませんでした」と苦笑い。数時間に及ぶ監督とのイメージのすり合わせを経て、有村は監督の求めるクララ像を何とか表現することができた。「少女から大人の女性へと成長していくクララに、今の自分の姿を重ねて吹き替えに臨んでみたんです。監督の提案ですが、不思議とうまくいったんですよ」。11月29日、全国公開。(文:高橋天地(たかくに)/撮影:宮川浩和/SANKEI EXPRESS)
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