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経済
【エコノナビ】楽観的現実主義の勝利
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衆院選は与党が圧勝し、安倍政権が再スタートを切る。
今回の選挙戦を振り返って改めて感じたのは、野党第一党である民主党が掲げる政策に現実主義(リアリズム)が希薄すぎる点だ。自民党の楽観的現実主義に対し、民主党の悲観的理想主義が目立った戦いだったともいえる。
英国のウィンストン・チャーチル元首相は「悲観主義者はあらゆる機会の中に問題を見いだす。楽観主義者はあらゆる問題の中に機会を見いだす」との格言を残している。民主党の再浮上には日本の未来に対する楽観的現実主義こそ必要ではないか。選挙結果はそれを如実に示した。
そして安倍政権に今後問われるのはアベノミクスの徹底である。延期した消費税の増税を実施するに際し、首相は景気条項をつけないと明言した。増税が実施される1年半後の2017年4月までに岩盤規制の撤廃をはじめとするアベノミクスの具体的成果を上げ、景気回復を確実にすることが求められる。
安倍首相は特に個人消費のてこ入れと、地方経済を底上げする経済対策に力を入れると強調する。総じてみれば、高水準の企業収益を背景に、企業が雇用・賃金を増やす好循環の動きは途切れていない。安倍政権はこれまでの政策運営を再点検し、消費を冷やす不安心理の解消に向けて先手を打たなければならない。
社会保障費に全額回す消費税増税分は、職業訓練や教育への投資を通じて、日本経済のイノベーションにつながる。中長期的展望に立てば消費税を10%へ引き上げることはアベノミクスの第3の矢である成長戦略に資する。
安倍首相は再チャレンジが可能な社会の実現も訴えてきたはずだ。より専門的資格取得も可能にするなど職業訓練や教育制度を工夫し消費税増税の意義を実感できるようにすべきだ。
民間企業も今度こそ待ったなし。消費税増税を前提に企業体質の強化に動かなければならない。何が得意なのか、何が足りないのか。それを見極めた上で楽観的現実主義にのっとったチャレンジが求められる。(気仙英郎/SANKEI EXPRESS)