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「男の夢」巨岩難関ルート制覇 米ヨセミテ公園 フリークライミングで世界初

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「男の夢」巨岩難関ルート制覇 米ヨセミテ公園 フリークライミングで世界初

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スパイダーマンのように最難関ルートでエルキャピタンをよじ登る、ケビン・ジョージソンさん(上)とトミー・コールドウェルさん=2015年1月14日、米カリフォルニア州のヨセミテ国立公園(AP)  米カリフォルニア州のヨセミテ国立公園にある巨大な一枚岩「エルキャピタン」(約900メートル)で、プロの米国人ロッククライマー2人が14日、道具に頼らず自分の手足だけで登るフリークライミングで19日間かけ、最難関といわれるルートでの登頂に初めて成功した。エルキャピタンには数多くのクライミングルートがあり、ロッククライマーたちにとっては“聖地”のような存在。今回、2人が登頂に成功したルートはフリークライミングでの制覇は「絶対不可能」といわれていたルートで、バラク・オバマ米大統領(53)もツイッターで「2人はどんなことでも可能だということを私たちに思い出させてくれた」と、偉業を称えた。

 つるしたベッドで仮眠

 エルキャピタンは、ヨセミテ渓谷の北側にほぼ垂直にそそり立つ花崗(かこう)岩の巨岩。花崗岩の一枚岩(モノリス)としては世界一の大きさを誇る。登頂に成功したのは、コロラド州のトミー・コールドウェルさん(36)とカリフォルニア州のケビン・ジョージソンさん(30)で、70以上切り開かれているルートの中でも最も難しい「ドーン・ウォール」と呼ばれるルートで挑んだ。

 ドーン・ウォールは足掛かりがほとんどなく、表面は「寝室の壁のようにツルツルして滑りやすい」(AP通信)。2人は落下したときに備えてロープやハーネスは装着したが、ほんのわずかな岩肌の凹凸やカミソリの刃も通らないようなすき間を手足で探ってよじ登った。昨年12月27日から登り始め、夜は岩からつるした簡易ベッドで眠り、食料は器具を使いながら帯同したサポートチームに必要に応じて届けてもらった。2人の好物は桃の缶詰で、時にはウイスキーもちびちび口にしたという。

 すり切れた指先の傷口は強力な接着剤などでくっつけて回復を期し、睡眠中もタイマーをかけて1~2時間ごとに薬を塗った。また、2人はカメラ2台を持ち、クライミングの様子をソーシャルメディアで実況。米メディアによると、登頂に成功するとコールドウェルさんは妻と、ジョージソンさんはガールフレンドと抱き合い、共にシャンパンで快挙を祝った。

 コールドウェルさんは、「5年がかりの挑戦で『男の夢』をかなえることができてうれしい」と話し、ジョージソンさんも「人生のかなりの部分をささげてきたことを成し遂げるのは素晴らしい気分だ」と喜びを語った。

 再挑戦で「リベンジ」

 2人は2010年にも、ドーン・ウォール・ルートによるフリークライミングでの登頂を目指したが、この時は3分の1ほど登った所で台風に見舞われ、断念している。その後、ジョージソンさんが別のクライミングで足首を骨折するなど負傷し、再挑戦が延びていたが、この間もコールドウェルさんは他の11ルートでのフリークライミングによるエルキャピタン登頂に成功。満を持していた。

 エルキャピタンのロッククライミングは1950年代後半から始まり、58年に器具を使ったクライミングで米国人2人が登頂に初成功。フリークライミングでの初登頂は75年に記録されている。やはりロッククライマーで、ジョージソンさんに少年時代から技術を教えた父親のエリックさんは「私は今、世界で最も誇らしい気分でいっぱいだ。あの難ルートを制覇するとは、私の時代では考えられなかった。息子は偉大だ」と話した。(SANKEI EXPRESS

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