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アルゼンチン 氷河を歩く(上) 探索拠点は穏やかな街
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ウプサラ氷河の絶景を求め、山道を歩く=2014年10月16日、アルゼンチン・エル・カラファテ(藤原翔撮影) 空が広く、青い。大通りでは犬が何匹も自由気ままにじゃれ合っている。表情を見ていると、怖さはまったく感じない。向こうから寄って来ることはないが、こちらが歩み寄り頭をなでると愛嬌(あいきょう)たっぷりに尻尾を振って応えてくれる。
街や気候、ここに住む人だけでなく、動物までが穏やかな雰囲気をまとっていた。
アルゼンチンの首都ブエノスアイレスから南へ約3000キロ。森や湖に囲まれたエル・カラファテは、南部パタゴニアの氷河探索の拠点となる街だ。
人口約4000人とこぢんまりとしており、治安が良い。レストランや雑貨店、ロッジ風の建物が並ぶリベルダドール大通りは夜がふけてもたくさんの観光客が行き交い、安心して散歩できそうだ。
南半球の春にあたる10月中旬。日が昇ったばかりの早朝に目を覚まし、世界中の旅人を魅惑するロス・グラシアレス国立公園の巨大な氷河に足を運んだ。
≪山上からの絶景 五感で満喫≫
世界遺産ロス・グラシアレス国立公園内にある、ウプサラ氷河。1908年に、この氷河の調査に協力したスウェーデンのウプサラ大学の名を冠している。
エル・カラファテ近くの港であるプンタ・バンデーラからクルーズ船で大きな氷山を通り抜けた後、四輪駆動車で山道を駆け、計約2時間。目の前に見たことのない絶景が広がった。
山上から眺めるため、距離こそあるが、見る者を圧倒させる壮観な大氷河。何より、空の色とはまた違う、真っ青な色がなんともいえず美しい。
現地ガイドによると、氷河は積雪が長い年月をかけて塊となり、低地へ向かって流れることでできるという。
行き帰りのクルーズ船上ではさまざまな形の流氷がたくさん見られる。甲板に出ると、専属カメラマンが流氷をバックに記念撮影してくれて、のちほど購入できる。家族連れに好評で、思い思いのポーズをとって楽しんでいた。
何より五感でたっぷり満喫できる大自然は、旅の疲れをすっかり癒やしてくれた。(運動部 藤原翔、写真も/SANKEI EXPRESS)
日本からアルゼンチンへは直行便がなく、ドーハ(カタール)経由で、首都ブエノスアイレスまで毎日運航しているカタール航空(qatarairways.com/jp)が便利だ。成田空港と関西国際空港に加え今年6月、羽田空港からも新たに開通。羽田-ドーハ線は米ボーイング社の新型旅客機「787」を使用している。羽田からブエノスアイレスまでは乗り継ぎを含め約32時間。ブエノスアイレスからはアルゼンチン航空(aerolineas.com.ar/)などでエル・カラファテへ行ける。