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「ネッシー」同時代? 爬虫類化石、新種と断定 スコットランド初 発見者寄贈で研究進む
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スコットランドで発見された化石から新たに判明した新種の古代生物「ジャクバラ・ショウクロッシ」の想像図(ロイター) 約1億7000万年前の水生爬虫(はちゅう)類の新種の化石が英スコットランドで見つかった。恐竜が栄えていた中生代ジュラ紀に欧州からアメリカ大陸にかけ生息していたイクチオサウルスの仲間で、全長は約4.2メートル。スコットランドといえばネス湖の「ネッシー」で有名だが、意外にも新種となる水生爬虫類の化石の発見は初めてで、欧米メディアでは両者を関連づけた報道も出て、盛り上がりをみせている。
英BBC放送やロイター通信(いずれも電子版)などによると、この化石はスコットランド北西部のスカイ島で発見された。背骨や前足、歯など一部の骨しか見つかっていないが、前足の骨の形状からかなりのスピードで海中を泳ぎ回ることが可能だったことが判明。魚やイカを餌として、絶滅する9500万年前まで温暖で浅いスコットランド沖の海域を支配していたと推測されている。
これまでに見つかっているイクチオサウルスの化石は全長約2メートルほどで、その2倍の大きさがある今回の化石は新種に当たると判定された。
この新種生物の名前は化石の発見者である、アマチュア化石収集家のブライアン・ショウクロスさんにちなみ、「ジャクバラ・ショウクロッシ」と名付けられた。属の名前である「ジャクバラ」はスコットランド地方のゲール語で“海のトカゲ”を意味する。
BBCによると、スカイ島はジュラ紀には海の下にあり、ジュラ紀中期の水生爬虫類の化石が発見可能な数少ない場所。このため、スコットランドではこれまでに大量の化石が発見されていると推定されているものの、そのほとんどは発見者の個人コレクションになるか、売り飛ばされるかして研究に活用されてこなかった。
しかし、ショウクロスさんは1959年に発見したこの化石を90年代にグラスゴー大学付属ハンタリアン博物館に寄贈。今回の研究を主導した英エディンバラ大学の古生物学者、スティーブ・ブルサット氏はロイター通信の取材に「発見者が博物館に寄贈するという大きな決断をしてくれたおかげで、多くの科学者が化石を実際に手にとって研究することができた」とショウクロスさんの功績を強調した。
化石が公共物となったことで、今回の研究にはエディンバラ大、グラスゴー大、スコットランド国立博物館など多数の機関の研究者が関わることができ、スコットランドで初となる新種の水生爬虫類の発見につなげることができた。
この地方で発見された化石の分析がもっと進めば、さらに多くのことが分かってくると期待されている。スカイ島南部の海岸では約1億6400万年前の最初期のカメの化石が2008年に発見された。カメはもともと陸上で生活していたと考えられているが、このカメは水中で生存可能で、現在のウミガメにつながる進化の過程を解明できるかもしれない。
何より未確認生物の代表格である「ネッシー」の謎につながる大発見がないとも言い切れない。ロイター通信によると、今回の化石の分析からこの新種生物が「ネッシー」説もある首長竜のプレシオサウルスと一緒に暮らしていた可能性が大きいことも分かった。もちろん、これらの水生爬虫類が現在も生き延びているとする証拠が見つかったわけではないのだが…。(SANKEI EXPRESS)