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生き方編 ウキウキする誕生日の想い

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生き方編 ウキウキする誕生日の想い

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 幼い日の誕生日というのは、ウキウキする思い出ですよね。きょうは誕生日の思い出についてお話しさせてください。

 気がつくと、私が誕生日を迎えるのも53回目となりました。実はきょう20日は私の誕生日なのですが、毎年この日が来ると、私を支えてくれた1年間に感謝したい気持ちになります。この特別な日の想いも、時代の流れにつれて変わってきました。

 私が子供時代を過ごした昭和30年代から40年代初頭は、まだまだ物が少ない時代でした。そんな時代でしたから、誕生日といえば、ごちそうの思い出に直結しています。中でも特別だったのは、パイナップルの缶詰! 誕生日か風邪をひいたときしか食べられないとっておきのごちそうでした。パイナップルといえば輪切りになってシロップに漬かったものだと信じ込んでいて、大人になって生の丸ごとのパイナップルを初めて見た時、「これはなんだろう?」と不思議に思ったものです。プリンも粉を牛乳で溶いて冷蔵庫で冷やし固めるもの。焼きプリンも初めて見たとき、何なのか分かりませんでしたね。

 無邪気な思い出

 ケーキも誕生日とクリスマスの年2回だけ。そうそう、母の手作りのチキンライス(子供はみんな好きですよね)も大好きなごちそうでした。

 お誕生日会に来てくれた子供には、席に袋に詰めた駄菓子を一つずつ用意して。私が生まれ育ったのは貧しい炭鉱町でしたから、他の人の誕生日も、自分が何かプレゼントを持って行くというよりも、招待されておいしいものを食べられて、お菓子をもらえるといううれしさが先にありました。私は4人きょうだいで、女ばかりの親戚もいたので、そんなうれしい想いを年に7、8回味わうことができました。

 そんな風に、幼き日の誕生日は、うれしく、無邪気な思い出。子供の頃は責任もありませんから、1年の始まりという特別な意識はありませんでした。お正月も、書き初めをするだけで、いつもとちょっと空気が違って、みんながきちんとしているな、と思うぐらいでした。

 思春期になると、誕生日がうれしくなくなってしまう。なんだか照れくさいような気がして、親から祝ってもらうのも恥ずかしくなって。20代になると恋人と過ごすように。

 30代になると、「涙の誕生日」。経営者になっていましたから、あまりにもバタバタしていて、気がつけば自分の誕生日を忘れることが多かったのです。それでもスタッフが祝ってくれると、涙が出てしまって…。

 祝って「魔を切る」

 30代の後半にさしかかると、「今はいいから、私が何かをつかんだときに祝って」とスタッフにお願いすることもありました。でも、そんなとき、私の尊敬する大先輩がこう教えてくださったのです。「IKKOちゃん、誕生日というのは、周りの人に手を叩いて祝ってもらうことで魔が切れるのよ。新たな1年の始まりを、いい形で切れるの」と。初めて誕生日の本当の意味がようやく分かったような気がしました。

 そんな気づきもあって、今、私は誕生日が大好きです。自分のはもちろん、他の人の誕生日も。手をパチパチを大きく叩いて、心の底からお祝いをして、魔を切る。年末年始になると、「魔を切る」ということについていろいろと考えるのですが、詳しいお話しはまた次回。次回は、ちょうど2月3日の節分ですので。

 誕生日は、1年に1回だけの特別な日。いくつになっても、互いに祝い、祝われましょうね。

 愛を込めて IKKO(美容家 IKKO/SANKEI EXPRESS

 ■いっこー 女性誌をはじめ、テレビ・CM・舞台などのヘアメークを通じ、「女優メイクIKKO」を確立。その後、美容家・タレントとして活動。最近では、コスメをはじめ、多くの女性の美に対するプロデュース業にも注目が集まる。

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