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社会
わいせつ行為で処分教員最多の205人 体罰は倍増 3953人
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「LINE」の社員と静岡大学の講師から、LINEを使った適正なコミュニケーションのあり方に関する授業を受ける中学生たち。便利だが、最近では教師がLINEを悪用するケースも増えている=2014年5月22日、静岡県静岡市葵区(大坪玲央撮影) 2013年度に教え子らへのわいせつ行為により懲戒や訓告などの処分を受けた公立学校の教員は205人(前年度186人)に上り、1977年度の調査開始以降最多となったことが30日、文部科学省の調査で分かった。処分者が200人を超えたのは初。文科省によると、スマートフォン向け無料通信アプリ「LINE」などを悪用するケースが増えたことが主な要因とみられる。体罰による処分も3953人(昨年度2253人)で倍増した。
調査は47都道府県と全20政令市の教育委員会を対象に実施。205人が処分を受けたわいせつ行為の内容は、「体に触る」が56人で最も多く、「盗撮・のぞき」37人▽「性交」30人▽「接吻」23人▽「文書・画像などによる性的いやがらせ」19人-など。わいせつ行為に及んだ場所は「自動車内」31人▽「自宅」24人▽「電車やバス」21人-などが目立つ。
学校種別では、小学校52人(前年度49人)▽中学校81人(前年度60人)▽高校59人(前年度68人)。年代別では、50代以上の56人が最も多く、20代は54人、30代は52人、40代は43人だった。最も重い免職となったのは117人。そのほか停職49人▽減給9人▽戒告5人-で、訓告も25人に上った。
体罰は今回から国立と私立についても調べた。体罰により処分を受けた教員は3953人。数字上は過去最多だが、少なくともその半数は、大阪市立桜宮高校の体罰自殺事件を受けた2012年度の緊急調査で判明しており、文科省は「年度をまたいで処分が決定した。13年度の発生数は減少傾向にある」と説明している。
また、鬱病などの精神疾患により休職している教員は5078人(前年度4960人)となった。09年度以降減少が続いていたが、再び増加に転じた。
学校種別では、小学校2275人▽中学校1544人▽高校704人-など。半数が職場での勤務年数が2年未満の教員で、文科省は「異動先の職場での人間関係へのストレスなどもあって、精神疾患による休職は依然として高水準で続いており、復職支援に取り組んでいく」としている。
≪LINE悪用急増、禁止自治体も≫
文部科学省が30日に公表した調査で、わいせつ行為で処分された教員が過去最多となった。近年はスマートフォン向け無料通信アプリ「LINE」や携帯電話メールが悪用されるケースが急増しており、各地の教育委員会は対策に苦慮し、教員と児童生徒のメール交換を制限する〝LINE禁止〟に踏み切る自治体も出始めた。しかし、メール交換はいじめ認知につながると指摘する声もあり、一律規制には一長一短があるようだ。
今回の調査では、2013年度にLINEなどでひわいな内容を児童生徒に送りつけるなど「文書・画像などによる性的いやがらせ」の処分者は19人に上った。前年度(6人)の3倍以上、11年度(3人)の6倍以上で急増している。
文科省は「背景には、スマホの普及も一因とみられる」と指摘。さらに「『体に触る』『性交』などのわいせつ行為の項目に計上された懲戒処分者の中にも、LINEなどが悪用されたケースがあるとみられる」と分析した。
埼玉県教委は昨年12月、教え子にわいせつ行為をした県立高の教諭4人を懲戒免職にした。いずれも被害生徒とメール交換をしていたことが分かり、処分発表と同時に、県立学校の全教員に生徒とのLINEや携帯電話メールなどによる私的な連絡を原則禁止すると通知。教諭2人の処分者を出した神奈川県教委も「LINE禁止」を検討中だ。埼玉県教委の担当者は「部活動の連絡など公的な連絡は否定しないが、メールなどは生徒と密室状態にいるのと同じこと。原則として1対1になることを避ける形で指導を徹底していく」と説明する。
だがLINE禁止には異論も出ている。教育評論家の小林正氏は「LINEなどの通信手段がこれほど普及した中、規制するのは難しく、根本的な解決につながらない」と分析。「私的なLINEやメールはいじめ発見などの有効な手段にもなりうる。一律規制はそうした側面まで否定してしまいかねない」とも指摘する。
埼玉県教委によると、10年度以降に発生したわいせつ事案の約4割が20代の若手教員によるものという。小林氏は「教員養成で軽視されがちな道徳教育を徹底し、おざなりになっている定期研修も中身の伴ったものに改めて教員の人格を高めるべきだ」と話した。(SANKEI EXPRESS)