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和洋折衷の空間 癒やしと高品質 京都ホテルオークラ 新町1888

 京都を代表する名門、京都ホテルオークラが昨年7月、祇園祭で山鉾が巡行する新町通沿いにオープンさせたのがカフェ&バー「京都ホテルオークラ 新町1888」だ。京都市が「歴史的意匠建造物」に指定した町家を活用しており、坪庭を眺めながら落ち着いた雰囲気でカフェメニューなどが楽しめるほか、夜には2階のバーでしゃれた大人の時間も満喫できる。京都の町家の良さを最大限に生かす端正かつゴージャスな和洋折衷の空間では、訪れた誰もが時の経過を忘れて癒やされること間違いなしだ。

 京都ホテルオークラでは、2011年に京都府立医科大学附属病院の外来診療棟4階に「レストラン オリゾンテ」を開業して以来、13年には平安神宮や京都市美術館など観光施設が立ち並ぶ左京区の岡崎エリアにレストラン「ザ・ガーデン岡崎」をオープンさせるなど館外展開を推し進めており、新町1888もその一環として開業させた。

 畳敷き、テーブル

 とりわけ、京都ホテルオークラの創業年(1888年)を店名に取り入れたこのお店は、祇園祭の山鉾を間近で見られる新町通沿いにあり、市内の交通の要所である京都市営地下鉄の烏丸御池駅からも徒歩数分という絶好の立地。

 そのうえ、周辺は昔ながらの落ち着いた佇(たたず)まいを見せており、ステンドグラスが印象的な外観から、畳敷きに洋風のシックなダイニングセットという端正な和洋折衷が印象的な店内に至るまで、町家の良さを最大限に生かしたぜいたくな空間を創出。

 さらに店内では、スタッフが京都ホテルオークラと同じ上品で丁寧な接客で迎えてくれる。それでも藤井徹夫店長(35)は「待ちの姿勢ではなく、お客様をこちらからお迎えに行くという姿勢で臨んでいます」と、名門のブランドに寄りかかるだけの姿勢を否定。「提供する商品や接客などのサービスで周辺の人気店と差別化を図りたい」と訴える。

 実際、店内に一歩足を踏み入れると、その言葉通りのクオリティーのお店なのが分かる。靴を脱ぎ、畳敷きの部屋で坪庭を眺めながら1階の和カフェ(20席)でくつろいでいると、時の経過を忘れてしまう。

 上品なお茶漬

 メニューの方も、ホテルのクオリティーを保った逸品ぞろい。どらやきの生地にホテルの製菓シェフが考案したトッピングを載せた和・洋コラボの新感覚の「どらやきスイーツ」をはじめ、かぶらやレンコンなど季節の野菜を添えた「U.S.ビーフステーキセット」や手打ちそばなど、カフェから軽食まで幅広く揃えている。

 また、鯛や鰻、たらこなど、男女問わず人気の具材が楽しめる「お茶漬」の上品過ぎる味わいは魚好きでなくても魅せられること間違いなし。一番人気の鯛茶漬をいただいたが、特製のごまだれでいただいたあと、お茶漬でいただく鯛の味わい深さは絶品だ。

 夜は大人の隠れ家

 さらに2階はバーと和室宴会場(各20席)なのだが、バーの方は、バーテンダーが常駐するカウンターはもちろん、フロアスペースでは高級ソファでくつろぎながらお酒を飲むこともでき、まさしく“大人の隠れ家”的雰囲気満載…。

 この和室宴会場のスペース、藤井店長によると「昼間は、お子様連れのお客様などにお使いいただいています」とのこと。子供連れの顧客も肩身の狭い思いをせず、利用できるのはうれしい。

 現在、お昼は8~9割が近隣に住む女性たちだが、夜のバーにはリピーターも。藤井店長は「地元のみなさんに親しまれると同時に、文化人などに頻繁に利用してもらうことで地域の情報発信の場にしたい」と意気込んでいる。(文:岡田敏一/撮影:志儀駒貴/SANKEI EXPRESS

 ■京都ホテルオークラ 新町1888 京都市中京区新町通姉小路下ル町頭町95、(電)075・229・1888。営業時間は1階の和カフェが午前11時~午後7時、2階のバーが午後5時~午前0時。お茶漬1000円、手打ちそば1000円~、洋食メニュー1600円~、どらやきスイーツ350円など。無休。

 ※価格はすべて税込みです。

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