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展望とともに楽しむ絶品パスタ ホテルグランヴィア京都 「リストランテ ラ・リサータ」
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「卵がほほ笑む」という表現がうなづける絶品の「カルボナーラ」。ベーコンではなくグアンチャーレ(豚のほほ肉の塩漬け)を使うなど、細部にもこだわり抜いている=2014年10月10日、京都市下京区(恵守乾撮影)
JR京都駅ビルと直結する「ホテルグランヴィア京都」の最上15階にある「リストランテ ラ・リサータ」は、質が高く種類も豊富なパスタなどがランチのコースだと2500円から(税・サービス料込み)とリーズナブルな価格で楽しめるうえ、好天だと京都一円はもちろん、あべのハルカス(大阪市)までうっすら見える抜群の眺望とあって、お昼には行列ができるほどのにぎわいをみせる人気店だ。
抜群の眺望を誇るホテルの最上階という立地のうえ、74席という大規模で広々した空間はランチでもディナーでもゆったりぜいたくな気持ちで食事を楽しめる。最近は外国人観光客の増加もあって、顧客の3割は外国人という。
そんな店の一押しはやはりパスタ。ランチでは各3種類から選べるが、イタリアで約3年間修業し、本場の味を会得した野呂和美シェフ(34)が作るパッパルデッレといった絶品手打ちパスタを目当てに訪れるリピーターも少なくない。
というわけで、早速、11月と12月のメニューから自慢の逸品をいただいた。
まずは「季節のお魚のタルタル」。「鴨とネギにオリーブという組み合わせに感じた味の深みが印象的で、それを応用してみた」(野呂シェフ)というが、マグロと九条ネギと黒オリーブの組み合わせは確かに深みがあり、日本人の味覚にもぴったり。あっさりしていながら食べ応えもある。
そして驚きの看板料理が「カルボナーラ」だ。一般的にカルボナーラといえば、卵の味よりも生クリームや牛乳が醸すうま味や濃厚さが全面に出るものだが、このカルボナーラは全く違っている。卵そのものが持つ滋味深い味わいや滑らかさだけで成立しているのだ。こんな上品なカルボナーラは初めてだ。
「使っているのは卵黄にコクや粘度がある京地卵で、コクとうま味が最大限引き出され、味に輪郭が出るギリギリまで火を入れるんです」と野呂シェフ。
「この手前だと卵和えで、これを過ぎると卵そぼろに成り下がります。そのギリギリが一番おいしいわけで、分かりやすく言うと、卵がわれわれにほほ笑んでくれる状態ですね」
そして秋らしい「栗粉を練り込んだパッパルデッレ ポルチーニと栗のクリームソース」も、幅が広いリボン状で食べ応えのある生地、パッパルデッレを受け止める濃厚なクリームソースに栗の風味が絡む素晴らしい味わい。
さらに秋らしいといえば「魚介と茸(きのこ)のミネストラ」も秋の味覚が堪能できる一品だ。「ミネストラは、さらさらしたスープの意味」(野呂シェフ)で、スカンピ(アカザエビ)と、エリンギ、シイタケ、丹波シメジといった季節の茸が持つそれぞれのうま味や食感が楽しめる。スカンピから出る甘みの強いだしも具材を引き立てる。
デザートの「日本紅茶のプリン」も、三重県産べにほまれ(日本紅茶)のすっきりした苦味と香りに牛乳のコクや甘みが融合した他では味わえないまろやかで優しい味わい。栗のソースも見事なアクセントを醸す。
今年オープン6周年を迎えたが、野呂シェフは「お店の知名度は関係なく、出したお金に見合わない料理は一切評価しない京都のお客様一人一人にどれだけ尽くせるかを考えています」と抱負を語り、吉田耕平担当支配人(44)は「今年、オープン6周年を迎えることができたが、これからも愛情と笑顔で10周年をめざします」と決意を新たにした。(文:岡田敏一/撮影:恵守乾(えもり・かん)/SANKEI EXPRESS)