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「普通」に隠されたこだわり 荒川ケンタウロス
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5人組バンド、あらかわケンタウロス=2014年11月24日(提供写真) プロフィルには、東京・国分寺発の「普通の5人組バンド」と書かれている。普通という言葉に込められているのは、ポップミュージックにとって大切な「グッドメロディーと隠されたアレンジの妙」という芯が感じられる。
肩ひじを張らずにスッと寄ってきてくれるような一戸の素直なボーカル。バンドのアンサンブル全体で持ち上げるように躍動するグルーブ、そして日常の景色の中に気持ちを寄せる人への感情が織り込まれていく切ない歌詞など、聴けば聴くほど目の前にさまざまな景色を広げていってくれる。
4日にリリースされたメジャーデビューミニアルバム『玉子の王様』についてボーカル、一戸に話を聞いた。
「ポップだけどかっこよさのあるリード曲『ハンプティダンプティ』を中心に、荒川ケンタウロスらしい、ポップさが聴ける曲、ライブをイメージできる曲などとできあがった曲をセレクトしていきました。バンドの持ってる振れ幅と色合いがはっきり出たものだと感じています」
バンドシーンで昨今取り上げられるスピード感があってダンサブルな「四つ打ちロック」については「意識しないようにしていました。良いメロディーを生かすということを念頭に置いていたので、自分が曲を書く時は四つ打ちロックではないな、と思っていました」と振り返った。さらに「ここのギターのフレーズかっこいいな、とか、キーボードのアレンジすごく凝っているなど、細部のこだわりを感じてほしい」と語った。
メンバー3人がソングライターで、それぞれが自分の感性で曲を持ってくるにもかかわらず、詞の世界観には共通の切なさがにじむ。それについては「何かに手が届かないからこそ歌になると思いますし、何か足りていない、という心の距離感を大切にして曲を書いているのが共通しているところかもしれません。単純にみんな満たされていないのかもしれませんね」と笑顔をみせた。
バンドのパフォーマンスでは、一戸が客席に降りて歌うこともある。「『普通の5人組』なんて言っていますが、普通のものを見るためにお金を払いたくないじゃないですか(笑)。フロントマンとしてちゃんとかっこいいところを見せなきゃと思っています。バンドのパフォーマンスもどんどん良くなっています」
「普通」という言葉に隠れたこだわりやエネルギーを感じ取ってほしい。(音楽評論家 藤田琢己/SANKEI EXPRESS)