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【東京マラソン】日本勢、今井がトップ7位 世界切符 「ここからが本当の勝負」

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【東京マラソン】日本勢、今井がトップ7位 世界切符 「ここからが本当の勝負」

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東京・銀座の中央通りを駆け抜けるランナーたち=2015年2月22日、東京都中央区(川口良介撮影)  3万6000人のランナーが都心を駆け抜ける東京マラソン(産経新聞社など共催)が22日行われ、男子はエンデショー・ネゲセ(26)=エチオピア=が2時間6分0秒で優勝した。日本勢トップは、今井正人(30)=トヨタ自動車九州=の7位で、2時間7分39秒(日本歴代6位)の好記録だった。

 午前9時10分。気温8度の肌寒い中、東京都庁前をスタートし、皇居前、銀座、浅草など東京の名所を駆け抜けた。男子は8月の世界選手権(北京)の代表選考を兼ね、今井は「世界切符」を確実にした。女子はベルハネ・ディババ(21)=エチオピア=が勝った。

 国際テロ情勢が緊迫する中、ペットボトル飲料の持ち込みが禁止されるなど厳戒態勢が敷かれ、約1万人が警備に当たった。走りながら不審な動きに目を光らせる警視庁の「ランニングポリス」も初めて導入され、レースは無事に終了した。また、海外ランナーを外国語で案内する「多言語対応ボランティア」も初めて導入された。

 ≪世界切符 「ここからが本当の勝負」≫

 日本勢トップの7位でフィニッシュした今井正人は、やり遂げた、と言わんばかりに右手を握った。2時間7分39秒。10回目のフルマラソンで日本歴代6位の好タイムをたたき出した。

 「これでマラソンのスタートに立った。ここからが本当の勝負です」。世界選手権(8月、北京)初代表の座を大きく引き寄せ、“箱根の幻影”から一歩踏み出すきっかけをつかんだ。

 「山の神」の重圧

 「山の神」と呼ばれてきた。今も沿道などから、そう声を掛けられる。順天堂大学2年から箱根駅伝の山上り5区を担い、3年連続で区間賞を記録。圧巻の走りは鮮烈な印象を刻み、将来への期待を膨らませた。

 「入社当時は故障や『山の神』と言われるプレッシャーもあり、うまくいかなかった」と、所属するトヨタ自動車九州の森下広一監督。本人も「気持ちが空回りすることも多かった」。

 2008年からマラソンに挑戦したが、終盤に失速するなどして、なかなか結果につながらなかった。12年ロンドン五輪出場を逃した後は練習に身が入らなくなった。周囲に励まされ、自分と向き合うこと半年。「やってきた練習を本番で最低限出せれば良しとしよう」。少し力を抜き、まだ袖を通したことのない日の丸のユニホームを目標に再び走り始めた。

 克己心で前進

 福島県小高町(現南相馬市)の出身。今回、地元の支援者から贈られた千羽鶴を東京に持ち込んだ。「東日本大震災の復興はまだまだ。自分は今、九州にいるけど福島が発するエネルギーに勇気をもらっている」

 座右の銘は「克己心」。時間がかかっても前に進む。目標から目をそらさない。(宝田将志/SANKEI EXPRESS

 ■いまい・まさと 福島・原町高から順天堂大に進学。箱根駅伝の山上りの5区で3年連続区間賞に輝き、「山の神」と称された。トヨタ自動車九州入り後にマラソンに挑戦。2014年2月の別大毎日で初めて2時間10分を切る2時間9分30秒で2位。?169センチ、56キロ。30歳。福島県出身。

 ■世界選手権男子マラソン代表選考 代表枠は最大3。昨年12月の福岡国際、東京、3月のびわ湖毎日の日本勢上位3人と、2月の別大毎日の日本人トップから選考する。日本陸連が設定した2時間6分30秒に到達した選手やナショナルチームのメンバーが優先される。世界選手権で8位以内に入った日本人最上位は2016年リオデジャネイロ五輪代表に決まる。

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