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炭水化物 適度な摂取が必要 大和田潔

 拙書『炭水化物の新常識』(永岡書店)を丸善・ジュンク堂ネットショップで「炭水化物の適度な摂取」の代表書として取り上げて頂きました。出版社さんがお書きになられた紹介文を、少しだけ掘り下げてみたいと思います。強調したい2点があるからです。

 それは「運動の重要性」と「目的の設定」です。人間と運動は切っても切れない縁にあります。人間は動物の一種なので、植物のようにじっとしていることはできません。日常生活では、何らかの運動を伴う活動をしています。食事は生涯続くものなので、制限する場合には期間の設定が必要です。

 多くの人にとって食事を気をつける目的は「機能性が高く、美しいプロポーションの体になりたい」ということであるはずです。やせるためにヘロヘロになり、日々の生活を犠牲にすることは良くありません。マラソンの高橋尚子選手は、炭水化物を大量に摂取することが知られています。サッカーの三浦知良(かずよし)選手は、試合の2日前から、パスタやご飯をひたすら食べ続けることをテレビ番組で話されていました。

 お二方ともスマートで美しい体形です。アスリートは常に適切な(一般人では過剰とも思える量の)炭水化物を摂取し、運動を続けることで健康体を維持しています。食事制限だけでは片手落ちで、たくさん動き、それに応じて食事をしていくことが必要です。運動は認知症予防にもなります。また極度の糖質制限は、鬱の原因になり運動を阻害する可能性も指摘されています。「low carbo(低炭水化物)、low mood(気分低下)」とも呼ばれています。

 われわれも見習うべきです。極端に炭水化物を制限して体重を落とすことは短期決戦として「目的を設定」。その後は適切な量の炭水化物を摂取しつつ、運動して体調を維持するのが良いでしょう。

 通常の健康な人が行う食事療法は、生き生きとした活動性を支えるための方法論であるべきです。日々生きることは動作(体のキレ)が多くを支えています。まずは日常の運動が重要です。そして、動ける体を支えるための糖質摂取が必要です。「運動の重要性」と「目的の設定」を忘れないようにしましょう。(秋葉原駅クリニック院長 大和田潔/SANKEI EXPRESS

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