ニュースカテゴリ:EX CONTENTS
トレンド
美と健康 主婦が作るこだわり自然派 ルミエール
更新
野菜本来のみずみずしく力強いおいしさが楽しめる「新鮮お野菜の盛り合わせ_おまかせ5種」(1000円)。ディップのソースは5種類から2種類選べる=2015年2月10日、京都市中京区(寺口純平撮影)
≪栄養たっぷり 地元産食材ふんだんに≫
京都市随一の商業エリアで、オフィス街としても知られる四条烏丸で2012年6月から営業している「ルミエール」は、元医療ソーシャルワーカーの女性が「地産地消」と「美と健康」をコンセプトに立ち上げたユニークな自然派レストランだ。生活者の視点で健康に良い食材をできる限りおいしく食べてもらいたいとの思いから、食材選びや調理法に対するこだわりはもちろん、スタッフもほぼ全員主婦という徹底ぶり。この姿勢が健康を気遣う近隣オフィスのOLやサラリーマンに受けている。
オーナーの佐野真由美さん(39)は静岡県富士市の出身。「もともと京都好きで琴や日本舞踊を習っていた」関係で27歳の時、医療ソーシャルワーカーとして長岡京市の病院に。
以来、京都府立医大など他の病院で経験を重ねるうち「患者さんの病気に食生活が大きく関連していることを知った」ことから「自分にできることは、食の重要性を多くの人々に伝えることである」と決意。
「食べることは生きること」ということを広くアピールするため、健康重視の料理教室を開催するなど地道な取り組みを続ける中、自然派レストランであるルミエールの開業にたどりついた。
それだけに、食材も美山、亀岡といった地元・京都を中心に、生産者の顔が見えるものにこだわるとともに、丹波高原豚や滋賀県の近江地鶏など質の高さも重視。「スタッフのご両親が作った野菜もありますよ」(佐野さん)
元医療ソーシャルワーカーが提唱するこうした徹底した健康志向へのこだわりと、おいしさがマッチしたメニューの数々が口コミで広がり、近隣オフィスに勤めるOLらの間で人気に。いまでは「お客様の7~8割は30~40代の女性」(佐野さん)という。
早速、そのメニューをいただいた。まずは日替わりランチ。肉か魚か、十五穀米か白米かを選び、さらに最大10種類のおばんざいから2種を選択できる。これにサラダと冷ややっこ、おみそ汁が付いて税込み800円。
十五穀米は健康を考えたオリジナルブレンドで、メーンディッシュの近江地鶏の塩麹焼きやおばんざいのお揚げと九条ネギの白みそ和え、九州の有機大根の切り干しとニンジンなどの煮物など、忙しいサラリーマンやOLがなかなか摂取しづらい健康志向の食材を豊富に使っている。
夜のメニューでも「新鮮お野菜の盛り合わせ おまかせ5種」は、カブやニンジン、紅芯大根、ブロッコリーなど、野菜本来のみずみずしく力強いおいしさが楽しめる。ビタミンなどの栄養価も高いことは言うまでもない。
「北海道ハーブ牛のランプ肉のステーキ」(80グラム)も、脂が少なく良質のタンパク質も摂取できる赤身のうま味が堪能できる一品。添えられたベビーリーフも甘みがあっておいしい。そのうえ「うちで調理に使う油はこめ油かごま油だけ。ドレッシング類もギリシャ産のエキストラバージンオリーブオイル」(佐野さん)とあって、カロリーを気にする人にもぴったり。
さらに「日本人は小麦を摂取し過ぎている」(佐野さん)との考えから生まれた「モチモチおからPIZZA」は、おからと、つなぎのかたくり粉で作った生地を使っており、上に乗る具は「野菜とアンチョビ」か「ポテトと明太子」の2種から選べるが、塩分も適度でお腹にももたれない“健康ピザ”に仕上げた。
このほか、フランス産のチョコレートを使った自家製ガトーショコラも甘さは控えめだがチョコの濃厚さが印象的だ。
「最近は個室でのランチミーティングも増えている」(佐野さん)といい、このお店で健康志向に目覚める京都のサラリーマンも増えているようだ。(文:岡田敏一/撮影:寺口純平/SANKEI EXPRESS)
※価格はすべて税込みです。