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科学
日本のエネルギーを考える(下) さまざまな立場の意見 大きな刺激
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日本原燃の核燃料サイクル施設見学会の様子=2015(平成27)年1月29日、青森県上北郡六ケ所村(有志学生記者撮影)
今回のフォーラムに先立ち、核燃料サイクル施設の立地地域と電力消費地域の学生が、青森県六ケ所村の施設を見学し、地元の人たちを交えての意見交換会にも参加した。またフォーラムでは学生が登壇し、現地での経験などについて一人一人が発表した。地元の人たちや核燃料サイクル施設を運営する事業者である日本原燃とリサイクル燃料貯蔵の人たちも参加したパネルディスカッションも行われた。(今週のリポーター:有志学生記者/SANKEI EXPRESS)
≪社会問題 「自分事化」しなければ≫
核燃料サイクル施設が立地する青森県六ケ所村の地元の人たちとの意見交換会を終えて率直に思ったことは、住民と日本原燃の間に、厚い信頼関係が築かれているということだ。相当な年月がかかったそうだが、こうした関係を六ケ所村だけにとどまらず、日本全国に広げていってほしいと感じた。
フォーラムでも多くのことを得ることができた。特に他の学生のプレゼンでは、自分では気づかなかった点や異なる観点からの意見があり、学生同士でのディスカッションをやってみたいと感じた。自分のプレゼンで特に主張したことは、若い世代が、この問題を「自分事化」しなければならないということだ。また「知る、そして行動する」というキーワードを挙げた。どんなことでも知ることから始め、それを発信したり共有したりと、何かしらの行動に移していくことが重要だと考えたからだ。
これまで興味を持たなかった、私たちの周りのさまざまな社会問題についても積極的に「自分事化」していく必要があると思った。(消費地域大学生 谷口慧)
≪感じたこと 真摯に伝える≫
今回の施設見学と意見交換会で最も衝撃を受けたのが、六ケ所村の人たちと事業者である日本原燃の間に、長い時間をかけて信頼関係が築き上げられたことだ。こうした地元と事業者の良好な関係は、国民の間であまり知られておらず、現地を訪れて初めて知ることができた。しかし、この経験をどう生かしていけばよいのか、どう行動をしていけばよいのか、答えは見つかっていない。意見交換会の際に、「東京に帰って自分の周りに伝えたい」と話したが、立地地域の学生からどのように行動するのかと質問され、返答に困った。今は、自分が感じたことを真摯(しんし)に伝えるしかないと思っている。実際、東京に帰った後、何を見て感じてきたかを話したところ、相手から「六ケ所村について誤解をしていた」と言われた。自分一人の力では限度もあるが、少しでも多くの人にも真摯に伝えることができればと考えている。(消費地域大学生 須賀健斗)
≪施設の安全対策 イメージ鮮明に≫
日本原燃の事業については冊子に目を通して、ある程度理解していたが、実際に現場で目にすることでイメージがより鮮明になった。施設では安全の確保に力を入れていた。危険性の高い放射性物質が貯蔵されている施設では、何重もの防護やチェック体制、万が一に備えた電力のバックアップなど安全のための努力が随所に見られた。
意見交換会では、立地地域の人たちの生の声や核燃料に対する考えを聞くことができ、貴重な体験だった。フォーラムでも多くのこと学ぶことができた。プレゼンでは、現地で感じたことや思いだけは伝えられたのではないかと考えている。(消費地域大学生 森島一貴)
≪「信頼関係」気にしたことなかった≫
核燃料サイクル施設の見学では、安全面に関して厳しく管理がされていると感じた。施設に入る前から警備が厳しく、施設内も災害時に被害が拡大しないような対策や、電源設備を複数用意するなどの対策がとられていた。
意見交換会では、さまざまな立場、年齢の人たちと対話する機会があったので、大きな刺激を受けた。また、消費地域の人たちも原子力に対してさまざまな考えを持っていることを知り、興味深かった。一方で、原子力に関する知識は、地域に関係なく、知る機会がなければ深めることができないということも感じた。
フォーラムのプレゼンでは、消費地域の学生の多くが、地元と事業者との信頼関係の構築について興味を持っていたことが驚きだった。生まれたときから原子力施設が身近にあるのが当たり前で、気にしたことはなかったため、その点では地域差を感じた。(立地地域大学生 八幡将史)