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政治
林文子・横浜市長に直撃インタビュー(下) 一歩踏み出し行動すれば道は開ける
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神奈川県横浜市港北区の認可保育所。「待機児童ゼロ」という明確な目標を掲げ、官民一体の取り組みで実現させた=2014(平成26)年4月16日(産経新聞、古川有希撮影)
――林(文子(ふみこ))市長の行動力の源は何ですか
「『これだ』と思ったらまずやってみることが、習い性になっています。私自身、『前例がない』『女性には無理』といった理由で何度も苦い経験をしましたが、初めからできない理由を考えて行動を起こさないのでは、何も始まりません。まずは行動してみて、うまくいかない部分があれば原因を探り、やり方を見直し、諦めずに何度でもチャレンジすることで、必ず道は開けます。
これまで自動車の営業、経営者、そして市長と、新しいステップを踏み出すときは、いつも人との関係を大切にし、相手に寄り添い全力を尽くすことで多くの壁を乗り越えてきました。31歳のときに自動車のセールスの仕事に出合い、1日100軒の訪問を目標に、飛び込み営業をやりました。もちろん最初からうまくはいきません。しかし、目の前の人と真剣に向き合い、一生懸命誠意を尽くすことで、トップセールスとなることができました。市長になって、『待機児童ゼロ』を目指すと宣言したときも、『ゼロなんて言わない方がいい』とずいぶんアドバイスを受けましたが、明確な目標を掲げることで、官民を挙げてのチーム力が発揮され、大きな成果を挙げることができました。『やってみたい』という気持ちが芽生えたときは、ぜひ一歩を踏み出してください。その気持ちと行動が、新たな出会いを引き寄せ、諦めずに前に進み続ければ必ず願いはかないます」
――高師塾では起業家の育成に重点を置いています。米国などに比べ少ないといわれる起業家の育成について、どのようにお考えでしょうか
「少子高齢化の進展や産業構造の転換、グローバル社会の到来など社会経済状況が大きく変化する今だからこそ、ぜひ若い人たちには起業家精神を持って、新たなビジネスに挑戦してほしいと思います。起業家が独自のアイデアや行動力を存分に発揮し活躍できることが、日本の経済を活性化させ、さらなる飛躍を遂げるうえで大変重要です。横浜市では、起業を目指す人たちを支援するため、行政と経営支援機関、民間インキュベーション施設などの連携による多彩なメニューを用意しています。優れたビジネスプランを持つ起業家には、資金面とコンサルティングの伴走型支援により事業化を後押ししています。そして、女性起業家のための特別な支援プログラムも進めています。女性の感性や視点を生かしたビジネスには、これからの時代に新たな価値や市場を生み出す大きな可能性が秘められています。また、若い人の起業が多いソーシャルビジネスについても、早くから支援を行っており、多くの起業家が生まれています。起業による新たな雇用と市場の創出は、豊かで持続的な社会の発展と経済成長につながると確信しています。これからも起業家の育成、支援に重点的に取り組んでいきたいと考えています」
――日本は人口が減り、経済規模が縮小していくといわれています。そうした中で、これからの日本の未来を支える若者に期待すること、若者への応援メッセージをお願いします
「今は『ICT時代』です。情報技術が発展し、瞬時に世界中の情報と接することができる大変便利な時代になりました。一方で、めまぐるしく変化する時代だからこそ、新鮮な情報を手に入れ、時代の動きを敏感に捉えるためには、面と向かって人と関わり、ぬくもりの感じられるコミュニケーションがますます大切になっていると感じます。仕事の本質の部分は『人』で決まります。自分から心のよろいを脱いで、相手と気持ちを通わせ、相手に寄り添い向き合うことができる『共感力』を育むことは、仕事においてもプライベートにおいても、将来の大きな糧となって自分を助けてくれます。勇気をもって行動を起こし、大いにチャレンジしてください。横浜の未来、日本の未来を切り開くのは、若い皆さんの大胆な発想と行動力です。活躍を心より期待しています」(今週のリポーター:有志学生記者 山本聖(慶応大学2年)、石川俊(日本大学3年)/SANKEI EXPRESS)
さまざまな経験と実績を背景とした林市長の言葉一つ一つに重みを感じた。民間企業の経営と行政の本質は同じだという話にも驚かされた。そして、「これだ」と思ったらまずやってみるという市長の行動力こそ、若いわれわれが持たなければならないものだと、ひしひしと感じた。日本は少子高齢化と人口減少が進み、経済規模が縮小していくといわれている。そんな日本の未来を支えていくのは、われわれ若者だ。
林市長も、若者の大胆な発想と行動力が日本の未来を切り開くとメッセージをくれた。起業家精神を持ちビジネスに挑戦していく人材がますます求められる時代になる。インタビューを通じて、日本の未来を明るくする人材に成長するという気概を胸に刻むことができた。(有志学生記者 山本聖(慶応大学2年)、石川俊(日本大学3年))