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政治
【統一地方選】自民過半数「アベノミクスに評価」 41道府県議選 24年ぶり
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4月13日午後、自民党役員会に臨む安倍晋三(しんぞう)首相。統一地方選前半戦の勝利を受け、思わず頬も緩んだ=2015年、国会内(酒巻俊介撮影) 第18回統一地方選の前半戦は13日、41道府県議選の全2284議席が確定した。自民党は1991(平成3)年の統一地方選以来、24年ぶりに総定数の過半数に達した。10道県知事選では、与野党対決型の北海道、大分県の2知事選を含め、推薦・支援した全てで勝利。安倍晋三首相(60)は後半国会の焦点となる安全保障法制の整備や来年夏の参院選に向け、追い風を受けた格好だ。
首相は13日の政府与党連絡会議で、統一地方選前半戦の結果について「10の知事選全てに勝利するなど力強い応援の声をいただいた。気を緩めることなく自民、公明両党で結束していきたい」と述べた。菅義偉(すが・よしひで)官房長官(66)は記者会見で「アベノミクスの実績への評価と地方創生の期待が表れた」と語った。
自民党は道府県議選で計1153議席を獲得。議席占有率は50.5%で、2011年に実施された前回統一地方選より2.4ポイント増えた。単独過半数を持つ県議会も愛知など3県増え、24県となった。
民主党は与野党対決型だった札幌市長選で勝利したが、道府県議選、政令市議選ともに議席を大幅に減らした。ただ、枝野幸男(ゆきお)幹事長(50)は記者団に「民主党カラーを出せたところは十分戦えた。底打ちをして戻す流れはできた」と述べた。
維新の党は、5月17日の「大阪都構想」をめぐる住民投票の前哨戦とされた大阪府議選と大阪市議選で、維新傘下の地域政党「大阪維新の会」がともに改選前議席を上回り、第一党を維持した。
公明党は政令市議選で、大阪の1人が落選し目標の「完勝」はならなかった。共産党は34議席上積みした111議席で、41道府県議選全てで当選。非改選の6都県を合わせ、議席がない都道府県議会を初めて解消した。
前半戦の確定投票率は、知事選が47.14%で、道府県議選(45.05%)や政令市長選(51.57%)、政令市議選(44.28%)といずれも過去最低だった。統一地方選の後半戦は、一般市と東京特別区、町村の首長と議員の選挙を行い、26日に投開票される。
≪女性最多 207人≫
41道府県議選で当選した女性は前回比27人増の207人に上り、過去最多となった。女性は今回、379人が立候補しており、当選率は前回から2.7ポイント増の54.6%となった。女性が総定数(2284議席)に占める割合も過去最高の9.1%となった。
党派別にみると、女性当選者が最多だったのは共産党で58人。男女合わせた党の当選者は111人で、うち女性は半数を超えた。
次いで多かったのは民主党の45人で、党の当選者(264人)のうち17.0%を占めた。
当選者総数が1153人にのぼった自民党の女性当選者は37人。安倍晋三政権は「2020(平成32)年までに指導的地位に女性が占める割合を少なくとも30%程度とする」との目標を掲げるが、今回の道府県議選に限れば、女性の割合は3.2%にとどまった。
道府県別では、最多の神奈川県が17人で、北海道13人、京都府12人、埼玉、兵庫両県が10人。最少は山梨、愛媛、佐賀各県の1人だった。
一方、17政令市議選の女性当選者は178人に上り、総定数(1022議席)に占める割合は17.4%だった。
≪21道府県で議席増 地方創生に弾み≫
自民党は12日に投開票された41道府県議選のうち、大阪や栃木など21道府県で議席を伸ばした。単独過半数を持つ議会も愛知など3県増えて24県に拡大した。10道県知事選で推した現職10人の全勝と合わせ、安倍晋三政権が進める地方創生にも弾みとなりそうだ。
道府県議選全体では、自民党は前回から34議席増の1153議席を獲得し、議席占有率は前回から2.4ポイント増の50.5%となった。前回に引き続き、大阪府を除く40道府県で第一党を確保した。ただ、1月の知事選で自民党の推薦候補が敗れた佐賀や、現職6人が落選した埼玉など16県では議席を減らした。兵庫など4県は前回から変化がなかった。新旧別では、全1153議席のうち現職は1004人と87.1%を占め、新人は1割強の136人にとどまった。
一方、民主党は前回比82議席減の264議席に後退し、目標とした改選前の314議席にも及ばなかった。300議席に届かなかったのは2003年以来12年ぶり。議席占有率も3ポイント以上下がり、11.6%となった。
統一選初挑戦となった維新の党は、兵庫などで計28議席を確保。諸派の「大阪維新の会」として戦った大阪では42議席を獲得し、府議会の最大勢力を維持した。公明党は大阪市議選で1人が落選したものの、道府県議選では公認候補169人全員が当選した。議席占有率は前回から微増の7.4%となった。
共産党は41道府県の全てで計111議席を獲得した。非改選の6都県と合わせ、初めて全都道府県議会に議席を得たことになる。
社民党は前回を1議席上回る31議席を確保。生活の党と山本太郎となかまたちと次世代の党は議席を得られなかった。(SANKEI EXPRESS)