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バンドン会議閉幕 連携強化で一致 「新植民地主義」 中国主導に警戒感
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4月22日、インドネシア・首都ジャカルタでジンバブエのロバート・ムガベ大統領(左)と握手を交わす中国の習近平国家主席=2015年(AP) インドネシア・バンドンで1955年、新興独立国の指導者が一堂に会し、第三世界の結束を誓ったアジア・アフリカ会議(バンドン会議)の60周年記念首脳会議は23日、貧困や格差の解消に向けた協調や、途上国が相互に協力する「南南協力」を通じた経済連携強化などを訴える3文書を採択、閉幕した。
インドネシア外務省によると、文書は(1)政治経済協力や文化交流の促進をうたう「バンドン・メッセージ2015」(2)2005年の50周年会議で採択した「新戦略的パートナーシップ」の実行を約束し、国連安全保障理事会の改革などを要求する宣言(3)パレスチナ国家の樹立を支持する宣言。
19日に始まった一連の会議には、世界人口の約75%を占めるアジア、アフリカ地域から約100カ国が参加。経済成長で存在感を増す両地域の発言力の向上も議題になり、多国間外交を重視した上で、大国が強い権限を持つ国連の改革を求める声が相次いだ。中東の過激派組織「イスラム国」の台頭などテロの脅威の封じ込めに向けた国際協力の在り方も議論。
24日は、55年会議の開催地、西ジャワ州バンドンに移動して記念式典を行う。(共同/SANKEI EXPRESS)
≪「新植民地主義」 中国主導に警戒感≫
インドネシアで1955年、植民地支配から脱却した新興独立国が団結し、非同盟運動の黎明になったバンドン会議。冷戦後、運動の意義は薄れ、会議は参加国の成長に伴い経済連携に重心を移し、約100カ国の多国間枠組みに進化した。60周年会議では中国が連携の主導役に名乗りを上げたが、各国には警戒感が生まれている。
55年会議で提唱された理念「バンドン精神」の根幹は反植民地主義。途上国支援を強化し、アジアインフラ投資銀行(AIIB)創設も主導する中国の近年の経済攻勢を「新たな衣をまとった植民地主義」と批判する声もある。
経済発展への高い潜在力から「希望の大陸」とも呼ばれるアフリカと、世界で最も関係を深めているのは中国だ。
2009年には米国を抜いて最大の貿易相手国となったとされる。中国側は大金を拠出してインフラ整備を進める見返りに、天然資源確保を狙う。米研究所によると、中国にとってアフリカは中東に次ぐ原油輸入先で、11年にはアフリカからの輸入の8割以上が天然資源だった。
時に強引に見える手法は反発も呼んでいる。
野党を弾圧し、独裁的な政権運営が批判されているジンバブエのロバート・ムガベ大統領(91)は「中国は多方面で全力を尽くして支えてくれる」と強調。内政不干渉を理由に支援をやめない中国の対応は、アフリカ諸国からも問題視する声がある。
インフラ整備を中国企業ばかりが受注し、地元経済に恩恵が及んでいないとの不満も強い。今年1月にはコンゴ(旧ザイール)で、反政府デモの矛先が中国人の商店に向かって、約50店舗が略奪された。
中国は、東南アジアの地域大国インドネシアにも積極的にアプローチを仕掛ける。中国はインドネシアにとって最大の輸入相手国だ。
習近平国家主席(61)は最近1年半で3回もインドネシアに足を運び、中国企業が大型インフラ事業も次々に成約させている。3月の首脳会談では両国の貿易総額を20年までに1500億ドル(約18兆円)にまで引き上げることで合意した。
インドネシアでは日本企業の投資も好調で、日中が経済進出を競い合うような格好。そのはざまでインドネシアは「どちらにも肩入れしない。等距離外交だ」(大統領顧問)との立場で、バランスを取りながら双方から実利を得るという、したたかな戦略を取る。
ジョコ・ウィドド大統領(53)は22日の首脳会議で、新興国や途上国の意見が反映される新しい国際秩序の必要性を訴えた。外務省筋は、発言を「大国が引っ張って新秩序をつくる時代ではない。平等な関係の国々が協調して実現すべきという意味だ」と解説した。(SANKEI EXPRESS)