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【ネパール大地震】迫る「72時間」 被害全容把握できず
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倒壊した家屋で生存者を捜すため、がれきを除去するネパール軍関係者ら=2015年4月27日、ネパール・首都カトマンズ郊外バクタプル(ロイター) ネパール中部で25日に発生した大地震で、被災者の生存率が急激に下がるとされる発生からの72時間が28日に迫り、救助活動は時間との闘いに入った。
カトマンズの病院では病室が足りず、病人や負傷者が屋外で治療を受けている。ネパール政府は水や食料、薬の供給に全力を挙げているが、AP通信によると、山間部の村々が地滑りで壊滅的な被害を受けており、山間部には必要物資が行き渡っていない。一部の地域では通信が途絶え、被害の全容が把握できない状況が続いている。27日付の地元紙は、死者が8000人に達するおそれがあると伝えた。
震源に近い農村部の中部ゴルカ地区の当局者は住宅の70%が損壊した村々があるとし「被災住民への食料や避難所が足りない」と訴えた。インドや中国をはじめとする国際的な災害支援も本格化している。日本の国際緊急援助隊の救助チームも、空路でネパールの首都カトマンズ入りを目指している。(カトマンズ 岩田智雄/SANKEI EXPRESS)
≪「家に帰れない」公園で不安な一夜≫
ネパールの首都カトマンズでは大地震の発生から2日たった27日、軍や警察による被災者の救出作業が続き、自宅を追われた多くの住民が屋外でテントを張るなどして避難生活を送っていた。インドメディアによると、カトマンズにある大統領の官邸兼公邸も被災し、ラムバラン・ヤダブ大統領(67)もテントに避難して一夜を明かした。
カトマンズ市内のトゥディケル公園では、数百人がシートをテント代わりに避難生活を送る。家族5人で避難している主婦のシャンティ・K・Cさん(30)は倒壊した建物の瓦礫(がれき)で足などを負傷。食料は蓄えでしのいでいるが、「銀行の現金自動預払機(ATM)が使えず現金が底をついてきた。余震が怖くて家には帰れない」という。
公園近くの大学病院は負傷者でごった返していた。病院の担当者によると、27日までに200人以上の遺体が収容され、まだ100人以上が引き取られていない。担当者は、「病院まで来られる負傷者は救えるが、遠方など医師のいない地区が心配だ。各国の援助隊はこうした人々を助けてほしい」と話した。
市内の建物は近代的なビルはほぼ無傷だが、多くの古い建物や簡素な家屋は被害にあった。
多くの歴史的建造物が倒壊した世界遺産のダルバール広場では、倒壊した寺院などが無残な姿をさらしている。女性警官のアヌジャ・ジャンガムさん(24)によると、土曜日の余暇を過ごす市民で賑(にぎ)わう中で惨事は起きた。
献血事業が行われていたカスタマンダプ寺院は完全に倒壊、医師や看護師も犠牲になった。メーンの旧王宮バサンタプル・ダルバールは最初の地震では無事だったが、余震で壊れた。「多くの人が生き埋めになる中、東洋人の外国人観光客が大けがをして救出されるのを見た」
倒壊した歴史的建造物のダラハラ・タワー周辺に地震発生直後に駆けつけた観光ガイドのラメシュワール・ダマラさん(45)によると、当日は235人が入場券を買い、50人ずつ塔に登っていた。「倒壊で141人が死んだと聞いた。ネパールの象徴だった建物も壊れ、とても悲しい」
市内のホテルは帰国便を待つ旅行客と、支援や報道のため入国した外国人などで、どこもほぼ満室。26日夜は激しい雷雨に見舞われ、あるホテルでは行き場がない外国人らのためロビーを開放し、多くの人がソファや椅子で急場をしのいだ。(カトマンズ 岩田智雄/SANKEI EXPRESS)