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【ネパール大地震】「がれきの下に客40人…早く助けて」 死者4800人超
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首都カトマンズ市内のグンガブ地区で青い服の中国の緊急援助隊の支援を受けながら懸命の救出作業を行うネパールの救助隊=2015年4月28日、ネパール(岩田智雄撮影) ネパール中部で発生した大地震は28日、がれきの下などに取り残された被災者の生死の境目とされる発生後72時間を経過し、近隣国を含めた死者は5000人を超えた。国連によると、ネパールの人口の3分の1にあたる約800万人が被災。コイララ首相はロイター通信に対し、犠牲者は1万人に達する恐れがあると語った。
各国の支援が本格化し、日本の国際緊急援助隊の約70人も民間機で首都カトマンズに到着し寺院跡で捜索活動を開始した。リーダーを務める小林成信・外務省緊急援助官は空港で「持っている器具や救助犬を最大限に生かしたい」などと述べた。
コイララ首相は、被害状況の把握が難航している山岳地域からの情報が今後入ることで、死者数が増える恐れがあると指摘した。山岳地帯では交通網が地滑りなどで依然遮断されており、水や食料、薬などの物資が行き渡っていない。中部ゴルカ地区の当局者は強風と雨で救援ヘリコプターの着陸も難しい状況だと語った。被災地では衛生状況の悪化や食料不足などから、感染症の流行などの二次被害も懸念されている。
各国からの支援では、インドは航空機で水や食料、医薬品などを被災地に運び、500人以上の救助隊を派遣した。中国は、既に現地入りしている国際緊急援助隊62人のほかに、新たに兵士170人を派遣する予定という。
一方、雪崩で世界最高峰エベレスト付近の高地に足止めされていた登山者ほぼ全員が、28日までにヘリで救助された。
ビル十数棟が倒壊したカトマンズ北部のグンガブ地区では、現地入りした中国やトルコ、インドなどの救助隊の支援を受けて、がれきの下にいるとみられる大勢の人たちの捜索が続けられた。救出は時間との戦いとなっている。
「中には40人以上の客がいたが、ほとんどがまだがれきの下だ。早く助けてほしい」
4つのホテルが入居する7階建てビルの倒壊現場で、ホテル所有者の男性、カマル・バハドゥル・バンダリさん(35)は、降りしきる雨のなか、救出作業を見守った。28日未明にはトルコの救助チームによって1人が救出されたという。
バンダリさん自身も、息子(6)と娘(8)ら家族がまだ見つかっておらず、「救助チームの作業は遅すぎる」といらだちをあらわにした。
約500メートル離れた一角では、飲食店や雑貨店が入居する4階建ての雑居ビルが大きく傾いていた。
中国の支援チームとともに救助作業に当たっていたネパールの現場責任者によると、これまでに13人が救出され、23人の遺体が見つかった。まだ4、5人が下敷きになっているという。
隣接する別の4棟のビルも倒壊しており、池があった場所に無理に建てたことが原因とも指摘されている。現在責任者は「生存者の発見は絶望的だ」と声を落とした。(カトマンズ 岩田智雄/SANKEI EXPRESS)