ニュースカテゴリ:EX CONTENTS
エンタメ
カワイのピアノは自分の感情に合う楽器 ピアニスト リーズ・ドゥ・ラ・サールさんインタビュー
更新
「舞台では聴衆と強いコンタクトを感じます」と話す、ピアニストのリーズ・ドゥ・ラ・サールさん。(C)Marco_Borggreve フランスの若手人気ピアニスト、リーズ・ドゥ・ラ・サールが来日、リサイタルやオーケストラと共演した。10代から活躍し、たびたび来日しており、日本のファンも多い。11月には読売日本交響楽団と共演するため再び来日する。
ラ・サールは1988年、フランス・シェルブール生まれ。4歳でピアノを始め、9歳で行ったリサイタルがラジオで放送された。11歳の若さでパリ音楽院に入学を許され、首席で卒業。13歳で協奏曲デビューという早熟ぶり。“最後”のコンクールが16歳のときだった。
「14歳で最初のレコーディングをしました。フランス国内のコンクールには16歳まで参加しましたが、エージェントが付いて活動を始めていたので、国際コンクールを受ける必要がなかったのです。普通は16、17歳からコンクールを受け出すのでしょうが、私は幸運でした。若さゆえの不安よりも、録音することの喜びが大きかったのです。それは若さの特権でしょう」と笑いながら話した。
祖母はピアノの先生だったが、音楽家の家庭ではなく、ずっとピアノが好きで弾いていただけという。自宅のピアノはおばあさんにもらった日本のカワイ。今でもそれを弾いている。
「舞台の上で弾くと、聴衆との強いコンタクトを感じます。聴衆と感動を分かち合うという気持ちが、最初からありました。カワイは自分の感情に合う楽器です。自分の理想の音に近づけるためは、演奏を模索してさまざまな手法を追求し研究しますが、それにはカワイがいいのです。とても優れた楽器だったら、楽に理想の音が出せてしまい、練習になりません」
最新CD(ナイーブ、V5364)は、シューマンの「子供の情景」や「アベッグ変奏曲」などを収録している。これまで、リストのピアノ作品集やショパン、バッハ、ショスタコービッチなどナイーブ・レーベルから8枚をリリース、幅広い曲をレコーディングしている。
「意識的にレパートリーを広げるようにしています。特定の作曲家の専門家になりたくないのです。コンチェルトのレパートリーは数えたことはありませんが、60から70曲でしょうか。確かにフランスもの、ラベルやフォーレ、ドビュッシーを弾くと、その繊細さなどを身近に感じます。しかし、私の音楽はそれだけではないのです」
今回の来日で、デスピノーサ指揮の兵庫芸術文化センター管弦楽団と共演し、ラフマニノフのピアノ協奏曲第3番を弾いた。いま、ラフマニノフのピアノ協奏曲全集を作るプロジェクトが進行している。
「ラフマニノフを弾いていると、彼自身が天才的なピアニストだったことがよく分かります。ピアニストならだれでも弾きたい、演奏していて楽しい作曲家です。私もラフマニノフのようにもう少し手が大きかったらと思います。7月にチューリヒで、ラフマニノフの協奏曲第4番をライブで録音します。ファビオ・ルイジさんの指揮です。何度も共演していますが、彼の素晴らしさは、音楽に対する敬意。音楽のためにすべてをささげ、とても謙虚なことです」(月刊音楽情報誌「モーストリー・クラシック」編集長 江原和雄/SANKEI EXPRESS)
11月20日(金)21日(土)。東京芸術劇場。オスモ・バンスカ(指揮)読売日本交響楽団。ラフマニノフ:ピアノ協奏曲第2番