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ウナギ味ナマズ おいしさ「本物」

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ウナギ味ナマズ おいしさ「本物」

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ウナギのかば焼き(上)に限りなく近づけたマナマズのかば焼き(下)=2015年5月18日(香西広豊撮影)  クロマグロの完全養殖で知られる近畿大(大阪府東大阪市)が、一般に「泥臭い味」とされるナマズの“ウナギ味”化に成功した。鹿児島県の養鰻(ようまん)業者と協力し、専用の餌も数年がかりで開発。限りなく脂の乗ったウナギの味に近づけた。ウナギ料理店で客を相手に試験販売したところ、「本物と変わらない」と反響を呼んだ。絶滅の可能性も指摘され、近年は価格の高騰が続くウナギ。今夏の「土用の丑」も近づく中、ウナギに代わる“救世主”となるか-。

 近大開発、うれしい誤算

 試験販売は、奈良県内でウナギ料理店を経営する「うなぎの川はら」が5月9日以降、大和郡山市と奈良市の計2店舗で行った。

 かば焼き(1780円)とナマズ重(2000円)を、通常のウナギの半値近くに設定。客からは「ほぼウナギと同じ味。ナマズと言われないと分からない」「小骨がないので食べやすい」「まったく生臭さがない」「皮がおいしい」など予想以上の評価を得た。

 「(消費者は)ウナギのような味であれば、それがナマズであっても構わない、ということです」

 近畿大の農学部水産学科水産経済学研究室准教授、有路昌彦氏(40)は満足そうに話した。

 代わりを探して…

 ウナギ味のナマズ開発を思いついたのは約6年前。付き合いのある養殖業者などから「ニホンウナギの資源が減っていると相談を受け、味が近い資源豊富な淡水魚を探し始めた。

 「ドジョウやフナ、コイ、マスなど、いろいろな魚種を全国から集めては、片っ端から食べてみた」と振り返る。

 そして約4年前。滋賀県の琵琶湖北部で、地元の漁師がナマズ料理を出している店を訪れ、琵琶湖固有種「イワトコナマズ」のかば焼きを食べた際、「あっ、これだ!」と思わずうなった。「ウナギを上回るぐらいおいしかった」

 ただ、イワトコナマズは「幻の魚」と呼ばれるほど数が少ない魚種。そこで、その漁師に全国各地に生息する一般的なマナマズを使ったかば焼きを作ってもらった。それが結構おいしく、「これでいける!」と思った。

 餌の調合を繰り返し

 しかし、研究室近くで捕獲したマナマズを使い、かば焼きにして食べてみると「涙がでるほどまずかった」。有路氏が原因を調べた結果、マナマズは水の条件と餌が違えば味が一変することに気付いた。

 そこで「餌を調整すれば、ウナギ風味のナマズになるのではないか」と逆転の発想にたどりついた。

 そこから約300種あるとされる海水魚や淡水魚用の既存ペレット(固形餌)の調合(組み合わせ)を繰り返し、マナマズがウナギ風になる餌を探し続けた。

 そして約1年前。ついに納得のいく味になる餌の調合を発見した。マナマズの養殖には鹿児島県・大隅半島の養鰻業者「牧原養鰻」が協力してくれた。

 目指していたウナギ味のマナマズに育て上げ、今回の試験販売も、結果は予想以上に好評だった。

 有路氏は今夏の「土用の丑」(7月24日、8月5日)に間に合わせる見通しはついたとし、「生産体制を整えて供給拡大をはかり、ウナギの味を気軽に楽しんでもらえるようになれば」と話している。(香西広豊/SANKEI EXPRESS

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