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【18歳選挙権】改正公選法成立 「若き1票」争奪本格化 来夏参院選から適用

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【18歳選挙権】改正公選法成立 「若き1票」争奪本格化 来夏参院選から適用

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参院本会議で可決され、改正公職選挙法が成立。一礼する高市早苗(たかいち・さなえ)総務相(左奥壇上)=2015年6月17日午前、国会・参院本会議場(斎藤良雄撮影)  選挙権年齢を「18歳以上」に引き下げる改正公選法は17日の参院本会議で全会一致により可決、成立した。与野党は初適用が見込まれる来年の参院選に向け、若年層の支持獲得の準備を本格化させる。

 18、19歳の未成年者約240万人が有権者に加わる見込みで、模擬投票などを通じて政治参加意識を高める主権者教育や、高校生の政治活動解禁をめぐる対応が課題となる。民法の成人年齢、少年法の対象年齢引き下げの是非も焦点だ。

 若年層の投票率向上につなげるため、政府は高校生向けに選挙の意義などを解説した副教材を作成し、神奈川県などが取り組む模擬投票も各地で実施する。特定政党への支持の強要にならないよう、教育の中立性確保策も検討する。全国の17~18歳の若者には、期待と戸惑いが交錯した。

 法改正で有権者となる高校3年生の一部は選挙運動も可能となるが、文部省(当時)は1969年の通知で高校生の政治活動を禁止した。文部科学省は学校外での政治活動を一定程度認めることを視野に、選挙運動の在り方も含めて通知を見直す方針だ。

 改正法提出者の北側一雄公明党副代表(62)は、主権者教育に関し「2学期以降の授業で始められるようにする必要がある」と記者団に述べた。

 20歳以上を成人とする民法や、20歳未満が保護対象となる少年法について、改正公選法は付則で「必要な法制上の措置を講じる」と規定した。

 自民党の船田元(ふなだ・はじめ)・憲法改正推進本部長(61)は記者団に「民法、少年法が一日も早く選挙権の年齢とそろうように議論を深めたい」と述べたものの、少年法改正には公明党内で慎重論が根強い。

 新たに有権者となった若者が国政選挙直前に転居した場合、新旧いずれの住所でも投票できない事態が起こり得る現行の選挙人名簿登録制度を見直すため、自民、公明、次世代の3党は別の公選法改正案も提出した。旧住所地で確実に投票できるようにする制度変更で、来年の参院選に間に合うよう早期成立を目指す。

 ≪「夢広がる」「まだ早い」… 期待と戸惑い≫

 公選法の改正で選挙権年齢が「18歳以上」に引き下がり来年夏の参院選から約240万人の未成年者が新たに有権者に加わる見込み。権利が付与される17~18歳の各地の若者からは歓迎や期待を示す声に交じり「まだ早いのでは」との意見も聞かれた。フレッシュな1票は、政治にどんな変化をもたらすのか。

 「同年代の投票が進んでいくと思う。18歳の選挙権を歓迎します」。全国有数の進学校として知られる私立開成高校(東京)3年の中村優太さん(17)は法改正を喜んだ。少子高齢化が進み、若年層に向けた政策が後回しになるのではないかと以前から懸念しており「もっと若者の意見を政治に反映させていく必要がある」と語った。

 街頭などで18歳選挙権の導入を求める活動を続けてきた横浜市青葉区の高校3年、百瀬蒼海さん(17)も「将来の夢やチャンスが広がる」と期待を寄せ、アイドルグループHKT48の宮脇咲良さん(17)は「真剣に将来の日本を考える良い機会」と前向きな受け止め。日本柔道界のホープで、男子66キロ級の阿部一二三選手(17)=兵庫・神港学園高=は「すごく責任を感じる」と気を引き締めた。

 一方で「まだ早いかなという印象」と話したのは、山形県遊佐町(ゆざまち)の高校3年、渡会夏実さん(17)。その理由を「自分の狭い世界しか知らない。視野を広げるための準備期間がほしい」と説明した。東京都東村山市の大工見習、大友勇さん(18)は「仕事が忙しくて難しい政治のことはよく分からない。18歳で選挙権をもらって喜ぶ人はどのぐらいいるのだろうか」と首をかしげた。

 東京電力福島第1原発事故で自主避難した経験がある福島県いわき市の高専生、本田歩さん(18)は「政治や原発に関するテーマも授業で扱い、自分できちんと判断できるようにすべきだ」と述べ、主権者教育の意義を強調。那覇市の高校2年、西村一馬さん(17)は「米軍基地問題について意思表示をしていきたい」と話した。

 政治意識論が専門の関西学院大の稲増一憲准教授は「選挙権年齢が下がることで、国民全体の政治への関心が高まることにもつながる」と評価。その上で「投票を促すには、若者がよく立ち寄る場所に投票所を設置するなど運用面での工夫も必要だ」と注文を付けた。(SANKEI EXPRESS

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