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ギリシャ支援 週内合意の見通し 東証好感、大幅続伸 ITバブル期に迫る

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ギリシャ支援 週内合意の見通し 東証好感、大幅続伸 ITバブル期に迫る

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ギリシャ向け金融支援問題を協議するため、6月22日にベルギー・首都ブリュッセルで開かれたユーロ圏の緊急首脳会議=2015年(ロイター)  欧州連合(EU)は22日、難航しているギリシャ向け金融支援問題を協議するためブリュッセルでユーロ圏の緊急首脳会議を開き、24日に再びユーロ圏財務相会合を開催して支援合意を目指すことで一致した。同国が提出した新たな財政再建策を評価した。支援の期限が今月末に迫り、ギリシャのデフォルト(債務不履行)やユーロ圏離脱の恐れが指摘されていたが、こうした事態は回避されそうだ。

 会議終了後に記者会見したユンケル欧州委員長は、24日のユーロ圏財務相会合での合意を「確信している」と強調した。

 首脳会議に先立ってギリシャ政府は、EUや国際通貨基金(IMF)など債権者側に、支援融資再開の条件となる新たな財政再建策を提出した。ギリシャのメディアによると、焦点だった年金改革でギリシャが歩み寄ったほか、付加価値税や法人税の税率引き上げ、国防費削減を提案したとされる。

 ギリシャのチプラス首相は会議終了後、記者団に、財政再建につながる解決策が必要だと強調し「ボールはEU側にある」として再建策の受け入れを求めた。「反緊縮」を掲げ政権を握ったチプラス首相は今回、一定の譲歩を示した。次の焦点は、負担を強いられる国民や対EU強硬派与党を説得できるかどうかといえる。

 EUのトゥスク大統領は会議後の記者会見で「チプラス首相は本気で前向きに取り組むことを請け合った」と指摘した。EU側は実務者レベルで今後ギリシャの提案を詳細に検討した上で、24日のユーロ圏財務相会合で合意し、25~26日に開くEU首脳会議で決定する段取りを想定している。

 ただ決定しても、凍結中の72億ユーロ(約1兆円)の支援融資を月末までに実行するのは手続き上困難とみられ、EUは現行の支援の枠組みを延長する見通し。新たな支援の必要性も指摘されるが、フランスのオランド大統領は「全ての国が反対した。ギリシャに新たな条件を課さないためだ」と説明した。

 ユーロ圏緊急首脳会議に先立って22日に開かれた臨時のユーロ圏財務相会合は、ギリシャの財政再建策を「合意に向けた土台となる」と歓迎した。(共同/SANKEI EXPRESS

 《東証好感、大幅続伸 ITバブル期に迫る》

 23日の東京株式市場で日経平均株価は大幅続伸し、終値は前日終値比381円23銭高の2万809円42銭と、2000年4月以来約15年2カ月ぶりの高値水準となった。上げ幅は今年最大で、2000年4月12日につけたITバブル期の高値(2万833円21銭)に肉薄した。ギリシャ金融支援協議が週内にも合意に達するとの期待が広がり、22日の欧米株式市場が大幅上昇した流れを受け、投資家がリスクを取る姿勢を強めた。

 東京市場は23日、主力株を中心に幅広い銘柄で買いが先行。外国為替市場で安全資産とされる円が売られ、1ドル=123円台後半まで円安ドル高に傾いたことも、輸出関連銘柄の買いを誘った。

 平均株価は、今月1日まで約27年4カ月ぶりに12営業日連続で上昇した後、世界的な金利上昇や円高ドル安、ギリシャ問題の不透明感が重しとなり、今月18日には終値で2万円を割り込んだ。だが、一時は金融市場でデフォルトの可能性が意識されていたギリシャ問題の進展期待に加えて、日本国内では悪材料が特にないことで「日本株を売り込んでいたヘッジファンドとみられる買い戻しが強烈に入った」(市場関係者)。

 三井住友アセットマネジメントの市川雅浩シニアストラテジストは「日本株の場合は、企業統治改革の本格化や資本効率の重視といった好材料も増えている。ITバブル期の高値の更新は通過点」と指摘する。ただ、ギリシャ問題をめぐっては「金融市場では楽観的な見方が強まっているが、期待先行の面もあり、最後まで予断を許さない。リスクは残っている」(市川氏)との見方もある。(SANKEI EXPRESS

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