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【花千代のビューティフル・フラワーズ】クレマチスと青竹で涼やかな和モダンに
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クレマチスと青竹で涼やかな和モダンに(Finish!、花千代さん提供) 青葉も日ごとに濃くなり初夏の日差しとなりました。蒸し暑い入梅前のこの季節、花もごてごてと飾らずすっきりと涼やかに生けたいものです。今回は美しい流れのでる利休草と、ツル植物の花であるクレマチスを主役にした、軽やかな花生けです。根じめにしたエンジ色のシャクヤクとクレマチスの紫色が呼応して涼しげなトーンです。
クレマチスは雪割り草やクリスマスローズなどと同じ仲間で、キンポウゲ科クレマチス属に入るツル性の植物です。クレマチス(Clematis)の名はギリシャ語のKlema(巻きひげ、つる)から学名がつけられました。ガーデンのツル植物として人気が高く「ツル性植物の女王」とも呼ばれています。
花言葉は「精神の美」「旅人の喜び」「策略」。英語では「旅人の楽しみ(Traveller’s joy)」、イタリア語では「ごま塩ひげ」、フランス語では「こじき草」といった呼び名もあります。こじき草の名は、クレマチスの葉には毒性があり昔、フランスの物乞いがクレマチスの葉をつぶして皮膚につけ、わざとただれさせて通行人の同情をひいたことにちなむといわれています。
花言葉の「精神の美」は、ツルが細いのに大きく鮮やかな花を咲かせることに由来し、「旅人の喜び」はヨーロッパにおいて旅人が快適に一夜を過ごせるよう、宿の玄関にクレマチスを植えて迎え入れたことにちなみます。「策略」はフランスの物乞いの話に由来するそうです。
クレマチスは種類や品種も多数あることから、ガーデニングでもっとも人気のあるもののひとつです。庭ではアーチやトレリス、オベリスクなどに絡ませて用います。豪華なものから野趣のあるものまで、品種を選べるので、洋風から和風までさまざまな庭に合わせることができます。
また比較的丈夫な性質なのでこまめな剪定(せんてい)で花もよく咲きます。花色は豊富で青~紫系・赤~ピンク系、黄色系、白、絞りなどがあります。花の咲き方は種類により八重咲き、ベル型、チューリップ咲きなどさまざまです。
性質も落葉性のものから常緑のもの、一季咲きから四季咲きに近いもの、冬咲きのものなどがあり世界中に分布している原種の数は300種類以上あるそうです。その中でも中国が最も多く100種類ぐらいといわれています。日本でもハンショウヅル、高野ハンショウヅル、白ハンショウヅル、カザグルマ、ボタンヅル、仙人草などが自生しています。
19世紀のはじめに来日したシーボルトによって日本の原種“カザグルマ”や中国の原種“テッセン”などがヨーロッパに渡り、種間交雑により数多くの園芸品種が作り出されました。明治の終わりごろから、ヨーロッパなどで品種改良された品種が逆輸入されてきましたので、その後は日本全国で栽培され普及していきました。品種改良では白王冠、藤娘、江戸紫、柿生などの人気種が誕生しました。
ガーデニングブームから始まったクレマチス人気ですが、最近では花屋の店頭でも切り花としてもポピュラーで多用途のアレンジメントに使えるようになっています。
「ファッションチェック」のお手本といえばドン小西さん。先日、帝国ホテルでおこなわれたファーブランド、ロイヤル チエの新作コレクション会場で久しぶりにばったり。さすがおしゃれなドンさん、タキシードも気負いなく着こなされていて脱帽だけど…。さらに胸に一輪のバラはいかが?(フラワー・アーティスト 花千代/SANKEI EXPRESS)