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TPP「7月合意」 高まる気運 TPA法案、週内にも成立
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米国のミッチ・マコーネル上院院内総務(右)らが米議会の状況を説明、難航してきたTPP(環太平洋戦略的経済連携協定)交渉は7月中の合意も視野に入ってきた=2015年6月23日、米国・首都ワシントン(AP) 米上院は24日(日本時間25日)、環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)交渉の合意に不可欠とされる米国の「貿易促進権限(TPA)法案」を採決、週内にも成立する公算が大きくなった。甘利明(あまり・あきら)TPP担当相(65)は24日、東京都内で記者団に対し、日米などTPP交渉参加12カ国による閣僚会合に関して「7月中に開き、合意が可能だ」との見方を示した。
政府は米国との2国間事務レベル協議を、来週にも再開する方向で調整に入った。関係者によると、米通商代表部(USTR)のカトラー次席代表代行が来日し、大江博首席交渉官代理らと協議する。
参加12カ国はTPA法の成立を待って、7月中に閣僚会合を開く方向で調整に入るとみられる。甘利氏は会見で「(閣僚会合が)8月以降にずれ込むことは全く想定していない」との見方を示した。
米上院(定数100)は23日、TPA法案の審議を打ち切るための動議を可決した。TPA法案に慎重な立場をとってきた民主党から自由貿易に肯定的な13議員が賛成に回った。投票結果は賛成60に対して反対37だった。TPA法案自体は過半数の賛成で可決できる。TPA法案はすでに下院を通過しており、上院で可決されればオバマ大統領のもとに送られ、署名を経て成立するとみられる。
ただ、成立には流動的な要素も残る。アーネスト米大統領報道官は23日の記者会見で「大統領は労働者に支援を提供することを望んでいる」と述べ、失業者対策を定めた貿易調整支援法案の上下両院での通過を要請。TPA法案のみが送付された段階で、オバマ氏が署名するかは明言しなかった。(ワシントン 小雲規生/SANKEI EXPRESS)
≪甘利明担当相「各国が最終カード切り前進」≫
難航してきたTPP交渉に、ようやく出口が見え始めた。米国を除く交渉参加11カ国が合意の前提条件とするTPA法案が、週内にも成立する公算が大きくなり、交渉は7月中の合意も視野に入ってきた。参加12カ国がこの好機を生かし、難交渉に終止符を打つ期待も高まる。
「法案が可決する可能性が一挙に高まった」
甘利明(あまり・あきら)TPP担当相は24日、米上院のTPA法案の採決入りを歓迎した。その上で、TPA法案が成立すれば「各国が(交渉の)最終カードを切って大きく前進する」と今後の進展に期待感を示した。
TPA法案が成立するまでは、米議会の反対で交渉の合意内容が覆される懸念がある。そのため、各国は難航分野で最終的な妥協案を出し渋ってきた。週内にもTPA法案が成立すれば、日米を含む2国間の協議が加速。12カ国の首席交渉官会合を経て、7月下旬にTPP閣僚会合を開く見通しだ。
日本の重要農産品の関税の扱いなどをめぐる日米協議について、交渉筋は「決着のめどはつきそうだ」と自信を示す。だが、全体の交渉がすんなりと合意する保証がないのも事実だ。なかでも最難関とされる知的財産では、日米と新興国の対立点がまだ数多く残る。
交渉がさらに長期化すれば、頓挫するリスクも高まる。TPA法案の早期成立に加え、今後は各国が交渉を一気に決着させる覚悟が求められる。(SANKEI EXPRESS)